2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17203020
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
北村 行伸 Hitotsubashi University, 経済研究所, 教授 (70313442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
渡辺 努 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90313444)
祝迫 得夫 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (90292523)
小塩 隆士 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50268132)
樋口 美雄 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20119001)
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Keywords | 結婚 / 年金 / 高齢者の就業 / 再分配効果 / ニート / 世代効果 / 出生率 / 男性の労働市場 |
Research Abstract |
1. 結婚問題は決して独立した個人の意思決定の問題ではなく、世代を跨いだ経済決定の問題である。親との同居や親からの所得移転、親の所得の多寡などの要因が結婚確率に無視できない効果を持つからにほかならない。 2. 年金給付は高齢者の就業を抑制していることが分かった。 3. 1980-90年代における日本の所得格差の要因分解を行うとともに、税や社会保障の再分配効果を分析した。そして、同一コーホート内における格差拡大傾向を暫定的に確認するとともに、現行の再分配政策のかなりの部分が世代間で行われ、世代内の再分配が極めて限定的であることが分かった。 4. 女性、低学歴、長期無業者など、就業の期待収益率が低いグループほど、ニート状態に陥りやすいことを初めて明らかにした。 5. 日本全体における希望喪失感の広がりの背景には、高齢化、無業増加、健康悪化、進学困難などが影響していることを詳細な全国郵送調査によって実証的に初めて明らかにした。 6. 学校における職業教育は就業後の所得増大をもたらさないが、就業率および就業の主観的満足度を向上させる効果を持つことを初めて明らかにした。 7. 学校を卒業する直前時点の失業率が高かった世代ほど、卒業後も持続的に無業もしくは非正社員であり続ける傾向が強いという労働市場の世代効果の存在を確認した。さらに上記の世代効果は中学卒および高校卒で顕著であることを明らかにした。 8. これまで日本の出生率の低下の主な要因としては、子どもに対する嗜好の低下、女性の高学歴化、労働力化などの女性側の要因が挙げられて来たが、わが国では、これから数年間、戦後のベビーブーム世代が大量に退職するのに伴い、若い男性の労働市場はかなり好転することが見込まれ、これにより、しばららくの間、出生率にもプラスの影響が期待できると予想される。
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Research Products
(22 results)