2005 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋地域の統合化による制度の収束と開発戦略・政策選択
Project/Area Number |
17203021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高阪 章 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (00205329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 茂行 同志社大学, 政策学部, 教授 (60140076)
床谷 文雄 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (00155524)
木村 福成 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90265918)
深川 由起子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30306485)
マッケンジー コリン・ロス 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10220980)
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Keywords | FTA / 国際分業 / 経済統合 / 生産ネットワーク / 基準認証 / 通貨統合 / 制度収束 / 金融グローバル化 |
Research Abstract |
今年度は、7月、11月、2月に会合を開き、アジア太平洋のFTAの現状、欧州における通貨統合の課題とその太平洋地域への含意、東アジアにおける政治権力と経済権力の相互関係について議論と考察を深めた。 金融資本市場ユニットは、「地域の通貨安定のための試みは域内各国金融市場発展のパターンを変化させるのか」を課題として、高阪と塩谷は、金融グローバル化の太平洋地域の金融資本市場発展パターンへの影響の分析に取り組み、金融仲介の機能不全、資産価格変動のマクロ経済運営への影響を明らかにした。深川は、韓国における資本市場自由化が企業ガバナンスと企業金融構造にもたらした変化を分析した。 貿易・投資ユニットは、「新たな国際経済環境のなかで太平洋地域の産業地図がどのように塗り変わるのか」を課題として、阿部は、日本のFTAによる東アジアにおける国際分業の実態を分析し、貿易を通じた地域統合化の現状診断を試みた。木村は、「生産ネットワークと産業政策」について、東アジアにおいて展開されている生産ネットワークの現状とメカニズムの解明、その背景の産業振興政策の状況、それに影響を与えるFTA等地域統合の動きについて予備的分析を行い、大槻は、産業規制・基準認証・通関手続きなど国際的な制度の違いによる企業の収支構造や貿易競争力への影響、制度収束による経済効果について実証研究を行った。北條は、制度改革が人的資本形成に果たす役割を実証的に明らかにし、制度の発展と地域統合化の関連への含意を探った。武田は、太平洋地域における競争法の発展と調和の可能性を検証した。 太平洋地域におけるグローバル化のインパクトと制度収束の開発戦略および政策選択への影響を探るため、米国、欧州、オセアニアにおいて、専門家との意見交換、情報収集を実施し、今後の国際ワークショップに向けての打合せをした。
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