2006 Fiscal Year Annual Research Report
経済政策企画立案手法の効率化の分析-実験・実証的手法のフィージビリティスタディー
Project/Area Number |
17203023
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中川 雅之 日本大学, 経済学部, 教授 (70324853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 博巳 日本大学, 理工学部, 教授 (50059862)
田中 正秀 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (00350744)
浅田 義久 日本大学, 経済学部, 助教授 (70299874)
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (90189762)
加藤 一誠 日本大学, 経済学部, 教授 (60290269)
|
Keywords | 実験室実験 / framed field experiment / 繰返しCVM / 自発的支払メカニズム / 固定費用負担比率メカニズム / ナッシュ均衡 / 高齢者差別 / 監査調査法 |
Research Abstract |
(実験室実験) 公園の供給を念頭においた公共財供給実験を日本大学及び上智大学で行った。自発的支払メカニズムという自分の申告額どおりの負担を負う必要のある公共財供給メカニズムと、固定費用負担比率メカニズムというゲーム参加者の申告額合計を等分したものが参加者共通の負担となる投票プロセスと類似のメカニズム間で、寄付の申告額に有意な差が見出せるかを検証した。その結果、予想されたナッシュ均衡点、前者は公共財の最低投資の閾値、後者は公共財の効率的供給水準を実現するという結果がもたらされた。 (社会実験及び実験的手法を用いた地方公共団体間の調整システムの提案) 現在、自地域に存在する大規模緑地を当該地域の地方公共団体の負担のみで管理をしている近郊緑地制度を検討し、スピルオーバー分の負担を行う者がいないために、管理レベルが効率的水準に比べて過小なものになってしまう可能性を指摘し、便益を受ける広範囲な住民の寄付をベースとした近郊緑地の管理制度の提案を行った。 その制度の設計を行うために、鎌倉の近郊緑地をとりあげ、その近郊緑地から便益を受ける住民に対して、支払意志額を尋ねる実験を行った。実験は、500人程度の被験者を、前述の自発的支払メカニズムと固定費用負担比率メカニズムという異なる寄付メカニズムにランダムアサインメントし、(1)公園を念頭においた寄付の申告額を想定されるナッシュ均衡水準と比較するframed field experimentと、(2)鎌倉の近郊緑地に対する寄付の支払意志額がメカニズム間で有意な差が生じるかを検証する繰返しCVM、により行われている。なお、順序効果を避けるために、framed field experimentと繰返しCVMの順番を変えた2つのグループによる検証も行っている。 (監査調査法) 日米の高齢者の住まい方を国際比較することを通じて得られた、日本の高齢者は、老朽住宅に居住しているというファクトファインディングに関して、これが情報の非対称性によってもたらされているという理論的基礎を与えた。そして実験的手法により得られた賃貸住宅市場における高齢者差別に関するデータをもとに、上記を実証分析した。
|
Research Products
(18 results)