2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンケート調査と経済実験による資産選択と貯蓄・消費行動の分析
Project/Area Number |
17203025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
筒井 義郎 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 教授 (50163845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 新介 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70184421)
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
晝間 文彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063793)
井澤 裕司 立命館大学, 経済学部, 教授 (70222924)
堀 敬一 立命館大学, 経済学部, 教授 (50273561)
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Keywords | 消費者金融 / 時間割引 / 中国 / 危険資産保有 / 危険回避 |
Research Abstract |
本年度は、本助成金の最終年度に当たるので、これまでに行った、経済実験およびアンケート調査の結果に基づく研究論文をできるだけ多く執筆するように努めた。その結果、第1に、これまで中国でおこなった実験結果に基づいて、中国人の時間割引率の特徴に関する論文を執筆した。この論文は、現在、国際的な査読雑誌に投稿中である。第2に、先に消費者金融借入者および債務整理者を対象とするアンケート調査を実施して、消費者金融の問題を借り手の側から分析した論文を『現代ファイナンス』に掲載したが、消費者金融に関する経済分析を完結するため、昨年度は、貸し手である消費者金融会社に対するアンケート調査の設計に参画し、その結果を入手することができた。今年度は、その結果に基づいて、貸し手側の問題を分析し、消費者金融市場に関する産業組織的な論文を執筆した。この論文は、日本ファイナンス学会の機関誌である『現代ファイナンス』に受理され掲載予定である。第3に、危険回避度と時間割引率は、危険資産保有比率を決定する重要な要因であるので、実際に日本人の危険資産保有がこうした選好パラメータで特徴づけられるかどうかを、郵政公社が実施したアンケート調査の設計に参画し、そのデータを用いて論文を執筆した。この論文は、日本金融学会の機関誌である『金融経済研究』に受理され、掲載予定となっている。第4に、アメリカ人のインフルエンザワクチン接種に対する態度に関するアンケート調査に基づいて、イスラエルのUri BenZion、 Shahrabani, Yom Din教授とともに論文を執筆し、現在国際的な査読誌に投稿中である。この論文は、インフルエンザワクチンの接種確率が、インフルエンザにかかる主観的確率、危険回避度、時間選好率などに影響されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)