2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢ドライバーの事故原因解明に向けたリスク運転行動と交通コンフリクトの実証的研究
Project/Area Number |
17203038
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
蓮花 一己 Tezukayama University, 心理福祉学部, 教授 (00167074)
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Keywords | 高齢ドライバー / 運転パフォーマンス / 日常走行 / ハザード知覚 / インシデント / 交通コンフリクト |
Research Abstract |
本研究では、第一に、昨年実施した日常場面での運転行動調査をさらに精度を上げ、加速度基準に基づいたインシデント分析を行い、交差点での右左折時の事故や出合い頭事故に結びつく行動メカニズムを検証することであった。目的の第二として、高齢ドライバーのハザード知覚を分析し、それが運転行動のいかなる側面と結びついているかを解明しようとした。 高齢ドライバーの行動特性について、京都府山城田辺自動車教習所において、32名の高齢ドライバーに対して、日常場面での運転行動を記録し、基礎的なインシデント分析を行った。実施方法として、運転行動をセーンサー付き運転行動記録装置「セイフティレコーダー」により記録した。このセイフティレコーダーでは走行速度、加速度(縦G・横G)などの車両挙動指標のみならず、前景やドライバーの頭部を撮影したビデオ画面を組み込むことで、左右確認行動などの行動指標や他車の挙動を記録・分析した。記録された高齢ドライバーの日常走行場面から、インシデントや交通コンフリクトを抽出して分析を行った。さらに、同一の高齢ドライバーに対してハザード知覚調査を実施し、高齢ドライバー個々人のハザード知覚能力を測定し、類型別にハザード得点を算出して年齢別や個人属性別の違いを分析した。 さらに、和歌山県田辺市の田辺自動車学校において、昨年度運転診断と教育を実施した24名の高齢ドライバーに対して、一年後の運転行動調査を実施した。教育の効果は一年後にはほぼ消失し、教育効果の持続性について課題を残した。
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