2006 Fiscal Year Annual Research Report
障害児・者の生涯発達に関わる臨床心理学的援助システムとネットワークの開発
Project/Area Number |
17203040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
針塚 進 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50113973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶌 誠一 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 教授 (70163459)
福留 留美 九州大学, 高等教育総合開発センター, 助教授 (40295754)
遠矢 浩一 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 助教授 (50242467)
宮田 敬一 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (60115079)
田中 真理 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70274412)
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Keywords | 発達障害児 / 心理リハビリテイション / 青年期障害者 / 離島 / 過疎地 / 動作法 / 回想法 / 障害高齢者 |
Research Abstract |
1.軽度発達障害児の自己への疑問を生じる時期と内容を検討し、その疑問と告知の時期と内容の実態について検討した。その結果,自己への疑問の有無.方向性に関しては,注意欠陥/多動性障害児.高機能広汎性発達障害児の両群の間に有意差はなかった。ただし,疑問の方向性に関しては,両群共に,小学校低学年では特別な支援環境への疑問が多く,高学年になると自分の特性への疑問が加わる傾向にあった。障害の告知に関しては,注意欠陥/多動性障害児の方が障害の告知を受けている人数が多い傾向がみられた。また,内容に関しては,本人の特性を伝えること・肯定的な評価を行いながら伝えていることが示された。 2.離島における障害児・者への生涯発達援助のシステムつくりのため沖縄県宮古島市における心理リハビリテイションによる援助法を導入し、2回の訓練キャンプ(平成18年11月16〜17日、12月25日〜28日)を実施し、その結果の調査を行った。その結果、養護学校小中高の児童生徒は学校での自立活動など発達援助教育があるが、学校とは異なる地域での援助システムも必要があり、特に学齢期を越えた青年期障害者は在宅が多く、地域での心理リハビリテイション活動などの援助システムが不可欠であることが、本人及び保護者からニーズが大きいことも分かった。今後は、このシステムを継続するための支援ネットワークの構築が課題となる。 3.過疎地区の在宅高齢者及び障害高齢者への援助システムとネットワークを検討すべく、熊本県八代市大川地区において水俣市との連携によって地域在宅高齢者の心身の活性化に向けた動作法と回想法による援助活動と調査を実施した。その結果、高齢者の活性化が促進され、参加高齢者からの評価も高く、継続のニーズも多く有効性が認められた。継続の体制作りが課題となった。 4.研究成果の一部をアテネでの国際応用心理学会において発表した。 5.インド及び韓国において、障害児・者への発達援助の体制について調査し、資料の収集を行った。
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