2007 Fiscal Year Annual Research Report
障害児・者の生涯発達に関わる臨床心理学的援助システムとネットワークの開発
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17203040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
針塚 進 Kyushu University, 人間環境学研究院, 教授 (50113973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶌 誠一 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70163459)
遠矢 浩一 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50242467)
宮田 敬一 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (60115079)
田中 真理 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (70274412)
古川 卓 琉球大学, 保健管理センター, 教授 (80284991)
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Keywords | 発達障害児 / グループ・アプローチ / 脳性マヒ者 / 地域援助プログラム / コンサルテーション活動 / 広汎性発達障害児 / アスペルガー症候群 / 動作法 |
Research Abstract |
1.普通小中学校に通う発達障害をもつ小中学生に対して対人関係スキルの向上を計っての小グループアプローチを行った。グループアプローチは、参加メンバーの特徴に従い、(1)集団プレイセラーピーを中心とするグループ、(2)心理劇的な場面構造でのロールプレイを行うグループによるセラーピーを実践した。これにより、それぞれのグループ、メンバー相互の関係の深まりと相互理解が向上した。 2.地域で生活する脳性マヒ者(19歳〜42歳)の動作の改善と心身の弛緩体験による生活の質の向上を計るための動作法の地域援助プログラムを作成し、2泊3日での実践を行った。その結果、動作改善のみならず参加者の相互交流が一層活性化された。 3.障害児教育担当の教諭へのコンサルテーション活動を中心にして、学校と家庭との効果的な連携のあり方について検討した。対象児は、多動で発達障害が疑われる小学生、ADHD傾向のある特別支援学校中学部生徒、特別支援学校高等部生徒で攻撃的行動を示す生徒などである。また、効果的な学校、家庭、地域資源(特別支援相談員)の協働的アプローチについても言及するために、特別支援相談員へのコンサルテーション過程について分析、検討した。 4.広汎性発達障害児のエコラリア機能の発達過程を明らかにすることを目的とした。対象は16名の広汎性発達障害児の保護者であった。その結果、自己刺激的な機能が最も早く生起して、常同的な質問が最も遅く生起するという過程が見出された。また、発達に伴って、消失する傾向を示す機能は知的機能との関連が示唆された。 5.青年期の発達障害、特に学生相談においてアスペルガー症候群の大学生に対する修学支援を継続して行った。彼らの問題は、対人関係の構築の難しさ、その他に生活や時間等の自己管理の難しさがある事が分かり、周辺の関係者、たとえば家族、教員、相談員が随時連携をとり、本人の注意を喚起することが不可欠であることをあきらかにした
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