2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17204001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川又 雄二郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
宮岡 洋一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50101077)
織田 孝幸 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (10109415)
斎藤 秀司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50153804)
斎藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
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Keywords | 代数多様体 / 導来圏 / 連接層 / スタック / 半直交分解 / トーリック多様体 / 極小モデル / フリップ |
Research Abstract |
代数多様体上の層のなす導来圏を中心課題に研究を行った.極小モデル・プログラムのプロセスと導来圏の半直交分解の類似性に着目し,導来圏の構造を調べた.トロイダル特異点のみを持つようなQ分解的多様体の,トロイダルな因子収縮写像またはフリップは,導来圏の半直交分解に対応していることを証明した.この際,正しい導来圏は,滑らかな多様体の場合のように連接層の有界導来圏をそのままとるのではなく,与えられた多様体の上にDeligne-Mumfordスタックを構成し,その上の連接層の有界導来圏をとるとうまくいくことを証明した.特に,大域的にトーリックであるような多様体の導来圏を取り上げ,これに極小モデル・プログラムを適用することにより,このような多様体の導来圏が例外対象で生成されることを証明した.また,トロイダルとは限らない特異点を持つような多様体に対して,正しい導来圏は何かという問題を考察し,3次元の場合に予想を立て,簡単な場合に検証した.極小モデル・プログラムによって最終的に得られるところの極小モデルの間は,フロップで結ばれていると予想されている.極小モデル・プログラムのプロセスと導来圏の半直交分解の類似性の特別な場合として,フロップは導来圏の同値を与えると予想されているが,少し複雑な層化された向井フロップをグラスマン多様体上で考察し,導来圏の同値が得られることを証明した.多様体の導来圏の研究は最近注目を浴びるようになってきて,以上の結果も来年度開催される世界数学者会議においてBridgeland氏によって紹介されることになっている.
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