2005 Fiscal Year Annual Research Report
多変数保型形式と代数的・幾何的不変量についての明示的研究
Project/Area Number |
17204002
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊吹山 知義 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60011722)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 隆夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30201198)
永友 清和 大阪大学, 情報科学研究科, 助教授 (90172543)
小松 啓一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80092550)
菅野 孝史 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30183841)
池田 保 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20211716)
|
Keywords | 整数論 / ジーゲル保型形式 / 微分作用素 / ヤコービ形式 / 志村対応 / Langlands予想 / 球関数 / ベクトル値保型形式 |
Research Abstract |
今年度の課題のうち、研究代表者が直接かかわった研究の部分を述べる。主として次の3つの項目について研究した。(1)次数2のヤコービ形式とジーゲル保型形式の跡公式について、具体的な計算に必要な基礎事項のまとめ。(2)低いウェイトのジーゲル保型形式の研究。(3)保型形式への作用において領域の制限と交換可能な微分作用素の研究。これらの研究において(1)は若槻聡との共同研究、(2)の一部はSkoruppaとの共同研究、(3)はDon Zagierとの共同研究である。(1)については、共役類のうち、ジーゲル保型形式への寄与が消滅すると期待されるものについて研究しているが、まだ内容は十分進化していない。(2)は、次数2において、ヘッケタイプの合同部分群ではウェイト1のカスプ形式は存在しないことを示した。また、ベクトル値ジーゲル保型形式において、Witt作用素の像をみて、低いウェイトの保型形式を確定させる原理を与え、これから求めた計算でウェイトが3のベクトル値ジーゲル保型形式の次元の下からの評価を与え、これによりウェイト3のカスプ形式が存在することを確定させた。(3)は、一般次数のジーゲル保型形式への微分作用素で対角成分への制限がまた保型形式になるものの研究である。 実際には保型形式を離れて、特殊関数ないしは特殊多項式としての意義があり、いつこのようなものが存在するかを、混合ラプラス作用素などを用いて、明示的に記述するなど、従来3変数で知られていたことを一般変数まで拡張するなど大きな進歩があった。 以上の内容について、Sphere packingにかかわる九州大学での国際研究集会、ローマでの保型形式に関する国際研究集会、京都大学数理解析研究所での研究集会、九州大学におけるL関数の国際研究集会等で発表を行った。
|