2007 Fiscal Year Annual Research Report
多変数保型形式と代数的・幾何的不変量についての明示的研究
Project/Area Number |
17204002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊吹山 知義 Osaka University, 理学研究科, 教授 (60011722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂内 英一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10011652)
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
渡部 隆夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30201198)
小松 啓一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80092550)
池田 保 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20211716)
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Keywords | ジーゲル保型形式 / 整数論 / L関数 / ゼータ関数 / 次元公式 / 微分作用素 / 特殊関数 / 跡公式 |
Research Abstract |
(1)2次のジーゲル保型形式ヘッケ作用素の具体的な跡公式の計算について、パラモジュラー群のAtkin-Lehner作用素を例にとり、一般論を視野に入れながら計算を行った。このような計算は個別の実共役類のタイプによって大きく異なるが、特に半単純でないもののうち、いわゆる quasi unipotent型について、計算原理は、ほぼあきらかになった(以上若槻聡と共同研究)。 (2)1次のヤコービ形式について、第2変数でのテーラー展開の様子は、微分作用素を用いてた記述がしられていた。一般次数のヤコービ形式について、類似の展開式を与え、これにより、次数2の index 1のヤコービ形式と次数2のベクトル値ジーゲル保型形式との対応関係を与え、以前に筆者と林田秀一が求めた構造定理め別証明を与えた。 (3)筆者の提唱する志村対応予想に関連して、Klingen 型の半整数ジーゲルアイゼンシュタイン級数、ないしはヤコービアイゼンシュタイン級数を正確に定義し、保型形式の合同に関する Harder 予想の半整数版と共に論文として投稿した。 (4)次数 2n のジーゲル保型形式から、次数 n の2つの保型形式のテンソルを得る微分作用素を不変多重調和多項式で特徴付ける研究を以前に行っていたが、これを解に持つある微分方程式系がホロノミー系であることを一般の次数 n について証明した(葛巻孝子、落合啓之との共同研究)。その他、Oberwolfach 研究所(ドイツ)で、国際研究集会゛Modulformen゛を10月28日から11月3日にかけて、W. Kohnen, S. Boecherer とともに主催し、研究討論をおこなった。このほか、Luminyの国際数学研究センター、ペテルブルグのオイラー研究所、などで成果発表と研究討論を行い、また、当研究費で外国在住の研究者を日本に4名招聘した。
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