2006 Fiscal Year Annual Research Report
統計力学に動機付けをもつ諸問題の確率解析による総合的かつ統合的研究
Project/Area Number |
17204011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長田 博文 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (20177207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 保成 神戸大学, 理学部, 教授 (60112075)
舟木 直久 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (60112174)
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90234509)
種村 秀紀 千葉大学, 理学部, 教授 (40217162)
今野 紀雄 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80205575)
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Keywords | 確率論 / 解析学 / 統計力学 / 無限粒子系 / 確率解析 / 確率場 |
Research Abstract |
本研究の目的は、無限粒子系の空間の確率力学系を、確率解析の視点から、総合的かつ統合的に研究することである。この目的のために4つの研究グループを構成し、研究を行った。それぞれについて成果を述べる。 1.確率場グループは、樋口がシエルピンスキーカーペットのパーコレーションの臨界確率について、前年度の研究を更に推し進めた。長田は白井氏とともに、Fermion測度のなかでも、Ginibre確率点場という2次元空間に於いては、最も多くの不変性を持つ一番重要な確率点場に対して、その線形統計量に関する興味深い漸近挙動を得た。この結果はGinibre確率点場を定常状態とする、確率力学系(無限次元拡散過程)を構成する上で、重要な役割を果たす。 2.極限定理グループは、舟木が界面を表す確率偏微分方程式解について、興味深い極限定理を得た。極限として得られるパスは、意外な形をしており、驚きのある結果である。永幡は、格子気体のアインシュタイン関係について研究を行った。 3.確率解析グループでは、熊谷が、従来、拡散過程について研究がよく進展していた、Nash評価等の理論を、Jump型もマルコフ過程について拡張した。さらに、Jump型マルコフ過程に関し、Jumpレートを表現する係数が、2乗可積分というぎりぎりの条件の下・興味深い評価を得た。 4.相互作用粒子系グループでは、種村はAiry点過程やBessel点過程に関係する確率力学系を時空間相関関数の手法を用いて解析した。今野は、多状態epidemic過程の安定状態を解析した。さらに、tree上の連続時間量子ウォークの中心極限定理を証明し,新しい形の極限分布を得た。
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Research Products
(7 results)