2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17204022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩佐 義宏 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授 (20184864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 康二郎 理化学研究所, フロンティア研究システム交差相関物質研究チーム, チームリーダー (70301132)
竹延 大志 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70343035)
下谷 秀和 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (60418613)
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Keywords | 有機分子 / 界面制御 / トランジスタ / カーボンナノチューブ / 輸送現象 / 電気2重層 / 有機・無機材料界面 / 電界効果ドーピング |
Research Abstract |
本研究の目的は、有機分子材料、ナノカーボンなど材料の複合化により、新しい電子・光機能を有する物質、デバイスを創成することである。 (1)有機分子内包カーボンナノチューブ薄膜の伝導特性 カーボンナノチューブは1本1本を用いたナノスケールトランジスタへの応用が注目を集めているが、その一方でナノチューブを薄膜化して用いる薄膜トランジスタもフレキシブルデバイスとしての広範な応用が期待されている。しかし、ナノチューブがスパゲティー状に絡み合った無秩序な構造を有する薄膜はその動作原理の理解は必ずしも単純ではない。そこで、我々は自身の持つ特殊なドーピング技術(ナノチューブ内に有機分子を内包させてキャリヤドーピングを行う)と、低温での磁気抵抗測定等によって、その伝導機構の一端に迫った。電気抵抗の温度依存性、磁気抵抗の解析、そのドーピング依存性から、抵抗の絶対値を決めているのはナノチューブバンドル間のキャリヤホッピングであるであり、キャリヤドーピングによってチューブ間ホッピングが大きくなって抵抗が低下するのであり、チューブ内伝導の寄与は小さいことが明らかになった。 (2)酸化物半導体における電気2重層トランジスタの実現 昨年度、有機高分子電解質を用いて、有機半導体をチャネルとする電気2重層トランジスタの作製に成功した。この手法は、原理的に、1x10^<14>cm^<-2>という大量のキャリヤを蓄積できるポテンシャルを秘めているとともに、有機半導体だけでなく、様々な半導体に適用可能と予想される。そこで、本年度は酸化物半導体ZnOにこの手法を適用した。その結果、4x10^<13>cm^<-2>という予想に近いキャリヤ数が得られるとともに、ゲート電圧誘起の絶縁体-金属転移の観測に成功した。これは、有機・無機材料界面に新たな物性を実現する新しい手法として期待される。
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