2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17204022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩佐 義宏 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授 (20184864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹延 大志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70343035)
下谷 秀和 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (60418613)
笠原 裕一 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10511941)
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Keywords | 有機分子 / 界面制御 / トランジスタ / カーボンナノチューブ / 輸送現象 / 電気二重層 / 有機・無機材料界面 / 電界効果ドーピング |
Research Abstract |
今年度は、有機無機複合系としての電気2重層トランジスタ(EDLT)と、従来有機半導体デバイスの作製法として用いられてきたインクジェット印刷法をカーボンナノチューブに適用する研究を行った。EDLTを、モット絶縁体Nioに拡張してこの方法が従来のバンド絶縁体のみならずモット絶縁体に有効であることを証明した。一方、EDLTにおける蓄積電荷量をさらに増大させるためにこれまで用いてきた高分子電解質とは異なるイオン伝導体として、イオン液体を導入し、これを用いてZnOのEDLTを作製した。その結果、蓄積される電荷量は最高で高分子電解質の8倍にあたる8x10^<14>cm^<-2>に達することを明らかにした。これらの成果は、今まで蓄積してきたEDLT技術が、ZnOなどの教科書的材料に限らず、多様な物質に拡張できる目途が立ったと考えられる。 カーボンナノチューブ(CNT)は、ナノテクノロジーの基幹物質として注目を浴びてきたが、最近では1本1本を電子回路に用いるのではなく、薄膜として電子デバイスに応用する技術が注目され始めている。そのためには、CNT薄膜を必要な場所に必要な厚みで薄膜を作製する印刷法が有効である。我々は、従来有機半導体デバイス作製に用いられてきたインクジェット印刷法に注目し、その技術開発を行ってきたが、本年度はオン・オフ比10^5、易動度6cm^2/Vsという、有機を含むインクジェット法で作製されたTFTとしては盛会最高の性能を有するCNT薄膜トランジスタの作製に成功した。 さらに、有機半導体単結晶を用いた両極性発光トランジスタによって、自然の導波機構を発見し、有機半導体レーザー実現に重要な1歩を踏み出した。
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