2006 Fiscal Year Annual Research Report
異方的超伝導体における特異な渦糸コア電子状態の研究
Project/Area Number |
17204027
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊谷 健一 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (70029560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 充司 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (60251691)
古川 裕次 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (50280863)
北 孝文 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20186224)
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Keywords | 強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 低温物性 / 物性実験 / 核磁気共鳴 / FFLO相 |
Research Abstract |
本研究ではPauli limitを超える強磁場で準粒子の構造に依存して現れる新奇な超伝導状態を明らかにすることを目的とした。このため、a)渦糸状態で空間的に分布する核スピン緩和時間を測定することにより、渦糸コア内の局所的電子状態の構造を捉え、磁束コアにおける反強磁性磁気秩序を検証しその起源を解明すること、b)Pauli limitを超える強磁場のもとで超伝導秩序波動関数の空間変調を伴うFFLO(Fulde-Ferrel-Larkin-Ovchinnikov)状態を検証し、特異な超伝導状態と磁場誘起磁気相との相関を明らかにすることを重点的な課題として遂行した。 本年度は、上記b)の課題を重点的に取り上げ、現有するスーパーヘテロダイン方式の位相コヒーレント・パルスNMR装置と高分解能超伝導磁石(14T、10^<-5>均一度)を組み合わせ、極低温領域でのNMR測定系を整備した。これにより、重い電子系超伝導体CeCoIn5に対して磁場をc軸に印加した状態でのInサイトおよびCoサイトのNMRを100mKに至る極低温で測定し、新しい超伝導相でNMRスペルトラムの特異な温度変化を観測した。この新しいNMRスペクトル変化の発見は、空間変調する超伝導秩序変数の節で生じるHrfの侵入の増大と、空間分布する超伝導エネルギーギャップによるKnight shiftの変化を取り入れたNMRスペクトルのシミュレーションによって理解することが出来た。このことは、CeCoIn_5でa軸と同様にc軸に磁場を加えた場合にも、空間変調を伴う新しいFFLO相が出現することを示している。その相図は類似しているが、磁場依存性が小さなど異なる性質も明らかになった。この成果はいくつかの原著論文として公表した。
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Research Products
(5 results)