2008 Fiscal Year Annual Research Report
空中磁場探査用自律型小型無人飛行機と搭載観測機器の開発研究
Project/Area Number |
17204038
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
船木 実 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 准教授 (10132713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 尚彦 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10270422)
東野 伸一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 講師 (40243901)
伊村 智 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (90221788)
坂中 伸也 秋田大学, 工学資源学部, 助教 (20323131)
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Keywords | Ant-Plane / 空中磁場探査 / 無人航空機 / フラックスゲート磁力計 / 長距離飛行 / 昭和基地 / カタパルト / サロマ湖 |
Research Abstract |
無人航空機Ant-Plane3号機(離陸重量6kg)のゴム式カタパルトを製作し、離陸実験を行い成功した。6号機(離陸重量25kg)の12mカタパルト用レール(アルミ製)と架台(炭素繊維)を製作し、ダミー機の切り離し実験(切り離し時速度:12m/s)に成功した。切り離し時に機体の姿勢が変化するため、6号機の離陸実験に至らなかった。この機体のパラシュートを高度100mで開傘させ着陸させた。機体の脚が変形したが、大きな損傷を与えず、パラシュート回収に成功した。全ての機体と基地局との通信を2.4Hzに切り替え、電磁ノイズの影響を軽減させた。また観測部と機体制御部を切り離し、装置の除振を行った結果、磁力計の搭載が容易になり、観測精度や装置の故障も軽減した。Ant-Plane3号機にフラックスゲート磁力計を搭載し桜島で空中磁場観測を試みたが、ウェイポイントの送信ミスで観測途中に失速した。この結果、機体と磁力計を失った。2月に5号機によりサロマ湖で空中磁場と流氷観測を試みた。磁場観測は急激な天候悪化のため、途中で断念した。流氷が着岸しない状況とサロマ湖の結氷状況の観測を高度250mで成功した。この実験で車輪と橇では飛行抵抗が大きく異なり、自動飛行のチューニング係数が大きく変わることが判明した。12月に昭和基地で4-4号機による磁場探査と気象観測を行った。磁場観測は自動飛行中に燃料系統にトラブルが発生し、エンジン停止し機体を失った。4-3号機で行った実験では、飛行距離110km、高度1000mの自動飛行には成功し、南極での空中磁場観測が可能になった。5月に開かれた地球科学連合大会の展示ブースにおいて、本研究で開発したAnt-Planeと磁場探査結果等を展示し、小型無人航空機を用いてどのような観測が可能か参加者と討議し、将来の研究の展望について検討した。10月にドイツのネルドリンゲンで行われたPaneth-Kolloquimにおいて無人機によるRies Craterの空中磁場探査の意義について報告した。
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