Research Abstract |
本研究は, 北西太平洋海域コア・陸上セクションを中心として, 新第三紀・第四紀の浮性有孔虫, 石灰質ナンノ化石, 珪藻の示準化石について, 地理的生息範囲と生態的特徴を考慮に入れた微化石層序データを提供できる基礎を作る三とを骨的としている. 本年度は, 平成17年度からはじめた本課題の総まとめ, ならびに論文出版, 学会発表を行ってきた. ・過去4年間に東北大学で開催してきた微化石サマースクールで配付したテキストについて, 著作権等の認可が必要な部分について, 該当部分の割り出しと, 調査を行った. 該当部分が多数あること, さらには著者権者が不明な図表類もありほとんどを独自に再構成する必要があるとの結論に至った. 数社と出版について相談したところ, 全社が原則的に買い取り方式を希望しているため. 原稿の完成と予算確保の手順が必要であることを明らかにした. ・微化石サマースクールのテキストのうち, 石灰質ナンノ分野のテキストの書き直しを行い, 最新のものとした. 他の浮遊性微化石分類群について, これまでの4回おこなってきたサマースクールで参加者の反応を参考に改善を行ってきた. これらの繰り返しの修正を経て, 学部初頭レベルの学習書として, また専門家にとっては手軽な手引き書としての完成度をえるにいたった. ・第5回微化石サマースクールを秋田大学で開催した. ・本課題の総まとめとして, 北西太平洋域の浮遊性有孔虫カタログ,石灰質ナンノ化石カタログの原稿を完成させ, 出版できるようにした・特に, 浮遊性有孔虫については, 本研究課題で新たに得られた最新知見を統合することで, これまで種の区分や利用可能範囲について問題があった点が解消され, これまでにない良品質のカタログが完成した. 石灰質ナンノ化石は, カラー情報も同定の一助となっていたが, 本課題によって, カラー情報を必要十分に図示したカタログを作成し, 初学者がすみやかに利用できるように配慮を行った. ・放散虫,珪藻について, 一部を残して北西太平洋域のカタログを総まとめとして執筆した.
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