Research Abstract |
1.風化帯構造の調査研究 1971年千葉県豪雨災害地域(成田層の砂岩),1972年天草豪雨災害地域(白岳砂岩),1972年西三河豪雨災害地域(花崗岩と花崗閃緑岩),2004年四国豪雨災害地域(硬質砂岩,泥岩),崩壊地形が多く見られる茨城県加波山(花崗閃緑岩)などにおいて,調査を行った.その結果,それぞれに特有の地質構造と風化帯構造とが崩壊の原因になっていることが予察的に明らかになった.また,風化帯構造・力学また水理学的性質の形成に岩石が持つ初生的な性質が大きく関与していることが明らかになった.シラスの風化帯における降雨浸透挙動を解析した結果,風化フロントにおける毛管障害現象が崩壊の大きな素因となることが明らかになった. 2.崩壊の発生状況の解明 次の地域を主対象として崩壊発生状況の調査を行った.2000年神津島災害地域(流紋岩質火砕物),2003年日高豪雨災害地域(混在岩),2004年新潟豪雨地域(軟質泥岩),2004年四国豪雨災害地域(硬質泥岩,砂岩)である.空中写真の判読によって崩壊地の分布を明らかにし,また,日高,新潟,四国についてはレーザースキャナによる詳細DEMデータを取得して崩壊地解析を行った.その結果,透水係数の大きな火砕物では地震によって崩壊が多発してもその後の豪雨による崩壊の拡大や新規発生が少ないことが明らかになった.また,レーザースキャナ計測によって,崩壊が多発した地域では新しい崩壊の他に古い崩壊地も多数存在することが確認できた.今後これらの結果をGISを用いて解析して,調査地域の崩壊履歴を評価する.樹林に覆われた泥火山に適用されたレーザースキャナ計測DEMデータを解析し,崩壊地を明確に抽出することに成功するとともに,泥火山斜面に限界傾斜があることを明らかにした。
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