2007 Fiscal Year Annual Research Report
中部九州肥後帯ならびに黒瀬川構造帯が超高圧変成帯である可能性の検証
Project/Area Number |
17204045
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西山 忠男 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10156127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 博志 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (80311869)
横瀬 久芳 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50230644)
池田 剛 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40243852)
可児 智美 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60332863)
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Keywords | 超高圧変成帯 / 肥後変成岩 / 黒瀬川構造帯 / 蛇紋岩メランジュ / 顕微ラマン分光法 / ザクロ石 / 石英 / ヒスイ輝石 |
Research Abstract |
1.黒瀬川帯中の蛇紋岩メランジュ中から発見された、ヒスイ輝石を含むアルバイトーオンファス輝石岩の詳細な岩石学的検討を行い、この岩石の形成条件を、350℃、5.0-10.8 kbarと見積もった。この条件は低温高圧型変成作用の条件であるが、ザクロ石単斜輝石グラニュライトとともにこのような低温高圧型変成岩が産することを明らかにした点に意義がある。またこの岩石中から3種の輝石の共存を見いだし、透輝石-オンファス輝石間、ならびにオンファス輝石-ヒスイ輝石間の不混和領域の形状から、これらの輝石の熱力学モデルとの整合性を検討した。その結果、Green, et. al.(2007)による非対称溶液モデルがもっとも妥当であることが判明した。 2.ザクロ石中に包有される石英結晶の顕微ラマンスペクトルから、残留圧力を見積もり、石英が取り込まれた際の圧力を見積もる方法を名古屋大学の榎並正樹氏との共同研究で開発した。基本的なアイデアは榎並氏のものであるが、西山は連続体の弾性理論モデル計算により、測定値から見積もられた圧力と、理論モデル計算値が非常に良く一致することを示し、モデルの構築に貢献した。この方法を用いると、ザクロ石に包有された石英粒子のラマンスペクトルを測定するだけで、石英粒子が取り込まれた時の圧力を推定することができ、非常に強力な方法と言える。論文では三波川帯のデータが使用されたが、今後、中部九州の変成岩にこの方法を適用することで、超高圧変成岩の可能性の検証が一層容易になると期待される。現在肥後変成岩にこの方法を適用し、データの集積中である。
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Research Products
(4 results)