2006 Fiscal Year Annual Research Report
地球の初期進化と下部マントルの構成に関する実験的研究
Project/Area Number |
17204048
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 英司 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 教授 (00033259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (40260666)
米田 明 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (10262841)
神崎 正美 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (90234153)
薛 献宇宙 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (70362986)
山崎 大輔 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (90346693)
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Keywords | 川井式高圧装置 / 焼結ダイヤモンドアンビル / 超高圧力発生 / ペロフスカイト / ポストペロフスカイト / 電気伝導度 |
Research Abstract |
焼結ダイヤモンド立方体アンビルからなる川井セルによって圧力発生技術の革新とMgGeO_3とMnGeO_3のポストペロフスカイト転移の検証を目指した。放射光(SPring-8)を用いたX線その場観察によって圧力検定と相の同定を行った。アンビルサイズは一辺14.00mm、先端切り欠き1.5mmとした。その結果アンダーソンの金スケールを基準にして72.3GPaの発生が確認された。これは従来からの我々の発生圧力を約10GPa更新する川井式装置の新記録である。また,63GPa,1200KにおいてMnGeO_3のポストペロフスカイト相(CaIrO3型)への転移が確認された。ペリドタイトおよび珪酸塩-鉄合金系の溶融実験を行って、珪酸塩メルトと溶融鉄の間のMn,Co,Niの分配を調べこれらの圧力依存性を約30GPaまで決定した。Co,Niの親鉄性は圧力とともに減少するが、26-30GPaの圧力範囲での減少は特に著しく珪酸塩メルトの構造の圧力変化を示唆する。実験結果をもとにマントルおよび地球始原物質におけるCo,Niの存在度からマグマオーシャン中での中心核分離過程は深さ1000km程度で生じたことが示唆された。新たにワズスレアイト、リングウッダイト、メジャーライトの電気伝導度が測定されペロフスカイトの結果と合せて下部マントルまでの電気伝導度モデルが作られ観測との比較が検討された。40GPa以上でのマントル物質の融解に必要な3000K以上の高温の恒常的発生には問題を残している。
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Research Products
(6 results)