2005 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素の局所構造に残された惑星地球活動の重要情報の解読
Project/Area Number |
17204049
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉朝 朗 熊本大学, 理学部, 教授 (00191536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 拓也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294145)
奥部 真樹 東京工業大学, 応用セラミック研究所, 助手 (10397060)
奥寺 浩樹 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50401881)
寺田 靖子 高輝度光科学研究センター, 研究員 (90307695)
磯部 博志 熊本大学, 理学部, 助教授 (80311869)
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Keywords | 微量元素の局所構造 / X線吸収分光法 / X線回折法 / 惑星地球活動 / 微量元素の化学結合性 / 地球惑星物質内の希ガス / KT境界層中の微量元素 / 下部マントル物質 |
Research Abstract |
シンクロトロン放射光や先端技術・解析法を用いたX線吸収分光法・X線回折法等により微量元素の局所構造や化学結合状態を高い精度で解析し、微量元素の存在位置や状態等に残された惑星地球活動の重要情報の解読を試みる。これまで得られなかった微量元素の精密局所構造の情報から、惑星地球レベルの諸現象解明の更なる手掛かりを得る試みである。(1)「惑星物質内の希ガスが固体中の何処に入っているか。熱による脱出挙動と化学結合性、非調和有効ポテンシャルは如何なるものかを明らかにする。」(2)「白亜紀/第三紀境界層中のイリジウムが固体中の何処に入っているか。局所構造や化学結合状態等を知り、なぜ元素の中でイリジウムのみが極端に高い濃度で濃集しているのかを明らかにする。」(3)「地球下部マントル物質MgSiO_3ペロブスカイトに、ある種の不純物や欠陥を伴う元素置換、固溶体を形成すると物性が大きく変わるのか。各微量元素周りの局所構造から物性の発現機構を明らかにする。」などの重要課題に取り組んでいる。 ホスト相である鉱物や融体、溶液における微量元素の占有位置や化学状態などを正確に解析決定るため、回折法、各種分光法や分析法を併用した構造解析、キャラクタリゼーションを同時に行い、総合情報を得てきた。我々の精密構造解析技術による配位数、原子間距離(0.001Åオーダーの精度)、熱運動などによる構造ゆらぎの定量的な決定により、イオンの拡散や熱伝導などの重要な物性に関する定数も精密化できた。 まず、(1)の課題において隕石やマントル起源鉱物等の天然の試料と各種KrやXeを添加含有した各種人工鉱物の局所構造を調べた。局所構造情報に関する、直接解析により構造情報が得られるのみならず、関連物質との比較からより多くの情報が得られた。始源物質である隕石中のKrは、アモルファス炭素の活性点や炭素層間を占有し、1000K以上の高温でも固体相にとどまる理由を明らかにした。
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Research Products
(7 results)