2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17205012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 敏材 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)
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Keywords | 有機カチオン / カチオンプール法 / 反応性 / 安定性 / フロー系反応装置 |
Research Abstract |
有機カチオン活性種の熱力学的および動力学的特性の解析: 昨年度に引き続き、有機カチオン活性種として有機イオウカチオン種に焦点をあて、研究を行った。ジアリールジスルフィド(ArSSAr)をCH_2Cl_2中、Bu_4N(C_6F_5)_4を支持電解質として低温電解酸化するとアリール(ビスアリール)チオスルポニウムイオン (ArS (ArSSAr)^+)が生成することを低温NMRおよびCSI質量分析により確認した。また、Ar基上にMeO基、Me基、Cl基などの置換基をもつArSSArを用いても、同様にArS (ArSSAr)^+が発生・蓄えることができることを明らかにした。また、窒素のα位炭素にArS基を有するカルバメートにArS (ArSSAr)^+を作用させると、N-アシルイミニウムイオンが効率的に発生・蓄えることができることも低温NMR測定により明らかにした。 有機カチオン活性種の合成化学的応用: 昨年度までに、分子内にオレフィン部位を有するチアセタールに対してArS (ArSSAr)^+を作用させると、生成したカチオンがオレフィン部分と反応して環化したヘテロ環化合物が生成することを見出した。本年度は、チアセタールとArSSArを共存させ、これに触媒量の電気量を通電した場合にも、同様の反応が進行することを見出した。この反応は、"ArS^+"を開始剤とするカチオン連鎖反応で進行しているものと考えられ、新しい連鎖型有機カチオン反応の形式として注目される。また、ArS (ArSSAr)^+とオレフィンやアセチレンとの反応による含イオウ化合物の合成法を検討した。さらに、N-アシルイミニウムイオンと有機ケイ素あるいは有機スズ化合物がカチオン/ラジカル/ラジカルカチオンを含む連鎖的反応機構で進行することも明らかにした。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Integrated micro flow synthesis based on sequential Br-Li exchange reactions of p-, m-, and o-dibromobenzenes2007
Author(s)
Nagaki, A.; Tomida, T.; Usutani, H.; Kim, H.; Takabayashi, N.; Nokami, T.; Okamoto, H.; Yoshida, J.
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Journal Title
Chem. Asian J. 2
Pages: 1513-1523
Peer Reviewed
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