2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの溶媒への可溶化戦略と新機能開発
Project/Area Number |
17205014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 直敏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 賢治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30336002)
新留 琢郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20264210)
村上 裕人 長崎大学, 工学部, 助教授 (30274624)
出口 米和 群馬工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (20300535)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 可溶化 / 全芳香族ポリイミド / DNA / RNA / 超薄膜 / カイラリティ / 物理吸着 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)は強くバンドルしており、溶媒にまったく不溶である。CNTのバンドルをほどき溶媒に溶かすことができれば「カーボンナノチューブの化学」(化学的アプローチ)が展開できる。本研究では、「CNTとの親和性が高い多核芳香族基をもつ低分子あるいはポリマーの物理吸着による可溶化プラス機能化」という基本コンセプトをベースとした研究を推進することを目的として研究を推進している。本年度の成果は次のとおりである。まず、極めて効率的に単層CNT(SWNT)を分子溶解し、さらにCNT機能を制御出来る可能性がある新しい可溶化剤としての全芳香族ポリイミド型CNT可溶化ポリマーを合成しその特性を調べた。次に、新しいコンセプトの可溶化剤"反応性CNTポリマー"を分子設計し、交互共重合ポリマーにアントラセンを導入した。この化合物が反応性CNT可溶化ポリマーとして機能することを見出した。また、長鎖基を持つベンゼンジアゾニウム化合物を合成し、ミセル溶解CNTと反応させ、速度論分割手法により、金属製SWNTと半導体性SWNTの分離が可能であることを見出した。一方、一本鎖RNAで可溶化したCNTを素材として、交互積層法を用いて基板上にCNT/RNA超薄膜形成が可能であることを見出した。また、二重らせんDNAを用いたCNT可溶化のメカニズムを明確にするために、可溶化条件を種々変化させた実験を行い、可溶化の要因として、DNAの集合構造がDNA可溶化に大きな影響を及ぼすことを見出した。また、可溶化CNTのカイラリティ識別能についての知見を得た。
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Research Products
(11 results)