2007 Fiscal Year Annual Research Report
ABC星型共重合体の二次元タイリングとメゾスコピック準結晶構造の構築
Project/Area Number |
17205021
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松下 裕秀 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (60157302)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 敦志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00236241)
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
|
Keywords | ブロック共重合体 / 星型共重合体 / ナノ相分離構造 / アルキメデスタイリング / 12回対称準結晶 |
Research Abstract |
ブロック共重合体など、異種高分子が分子内でつながれた複合分子は凝集系では、自己組織化による規則構造一ナノ相分離構造を呈することで知られる。1点から3つの異なる高分子鎖が分岐した星型共重合体では、特に凝集状態におかれると通常の線状共重合体よりも3次元空間での拘束力が大変強く働く。実際、分子の結合点は1次元の線状に並ぶため、棒状の相分離構造を作りやすくなり、その断面は2次元のタイリング構造となる。ここでは、・I_1.0S_1.0P_X,I_1.0S_YP_2.0(I:polyisoprene,S:polystyrene,P:poly(2-vinylpyridine),X,Yは変数)の二つのシリーズの溶媒キャスト/バルクフィルムに関する研究から、正多角形から構成される規則タイリングである(6.6.6),(4.8.8,(4.6.12)など幾つかのアルキメデスタイリング構造を両方のシリーズにまず見つけた。さらに後者のシリーズでみられた、3角形と4角形からなる複雑規則タイリング(3.3.4.3.4)の組成近傍を詳細に調べ、古典結晶学では説明の出来ない準結晶タイリングを発見した。この構造は実空間で結晶の単位格子を持たないが、散乱実験では30°おきに12個の回折点が明確に現れたため、12回対称準結晶に位置づけられる。タイルの辺の大きさは約50nmであり、これまでに知られるカルコゲンやデンドリマー系のものよりはるかに大きいことが特徴である。
|