2005 Fiscal Year Annual Research Report
高密度ポリマーブラシによる新規バイオインターフェースの創製
Project/Area Number |
17205022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00217308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 工司 京都大学, 化学研究所, 助手 (00335217)
後藤 淳 京都大学, 化学研究所, 助手 (20335219)
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
山元 和哉 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40347084)
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Keywords | バイオインターフェース / ポリマーブラシ / 濃厚ブラシ / 末端機能化 / 脂質膜 / リビングラジカル重合 / グラフト重合 / コンビナトリアル手法 |
Research Abstract |
リビングラジカル重合の利用により、長さの揃った高分子鎖を飛躍的な高密度で(従来技術より約1桁高く)固体表面にグラフト重合することが可能となった。本研究では、この高密度グラフト表面(濃厚ポリマーブラシ)の構造・物性における新規性と分子設計における多様性を活用して、自在な機能設計が可能な次世代バイオインターフェースの創製を目指している。本年度の主な成果は下記のとおりである。 (1)ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)の濃厚ブラシ表面が、その特異なサイズ排除効果により、タンパクの非特異的吸着を大幅に抑制することを見出した。 (2)ブラシ構造とタンパク吸着特性の相関を系統的に解析するためのコンビナトリアル手法の確立(グラフト密度および鎖長をそれぞれ直交軸とするコンビナトリアル・2次元グラフト層の構築)に向けて、開始基固定化手法、傾斜重合法についての予備的検討を行った。 (3)長さの異なるオリゴエチレンオキシドを側鎖に有するメタクリレート型モノマーを合成し、その原子移動ラジカル重合(ATRP)により親水性ブラシを構築するとともに、その膨潤特性をQCM測定により明らかにした。 (4)上記の親水性ブラシの末端機能化を目的に、アルキル二本鎖を有するニトロキシドを合成した。ATRP手法により活性化した末端ラジカルをこのニトロキシドでキャップすることにより脂質類似型末端基の導入を試みた。参照実験より、導入率は50%程度と見積もられた(導入率の向上が今後の課題)。 (5)次いで、上記の末端機能化親水性ブラシに対して、リポソーム融合法を適用して、リン脂質二分子膜の自己組織化を試みた(構造解析は、今後の予定)。
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Research Products
(2 results)