2006 Fiscal Year Annual Research Report
高密度ポリマーブラシによる新規バイオインターフェースの創製
Project/Area Number |
17205022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00217308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 工司 京都大学, 化学研究所, 助手 (00335217)
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
山元 和哉 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 助手 (40347084)
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Keywords | バイオインターフェース / ポリマーブラシ / 濃厚ブラシ / 末端機能化 / 脂質膜 / リビングラジカル重合 / グラフト重合 / コンビナトリアル手法 |
Research Abstract |
リビングラジカル重合の利用により、長さの揃った高分子鎖を飛躍的な高密度で(従来技術より約1桁高く)固体表面にグラフト重合することが可能となった。本研究では、この高密度グラフト表面(濃厚ポリマーブラシ)の構造・物性における新規性と分子設計における多様性を活用して、自在な機能設計が可能な次世代バイオインターフェースの創製を目指している。本年度の主な成果は下記のとおりである。 (1)ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)の濃厚ブラシ表面が、サイズ排除効果のみならず、ブラシ最表面においてもタンパクとの吸着的相互作用の極めて低い特性を有することを見出した。 (2)濃厚ポリマーブラシ表面をゲルと対向させることにより、マクロスコピックにも極低摩擦特性を発現させることに成功した。特に、ゲル構成成分と異なる高分子種からなる濃厚ポリマーブラシを用いることにより、すなわち、エンタルピー的斥力相互作用を利用することにより、マイクロトライボロジー測定で得られた値とほぼ等しい摩擦係数を達成した。 (3)生体内において低摩擦特性が要求される人工関節などの表面改質に応用することを目的として、セラミックスやステンレス、コバルトクロム合金の表面に安定に重合開始基層を形成させ、濃厚ポリマーブラシを付与する技術を確立した。 (4)感温性高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)の濃厚ポリマーブラシの合成に成功し、膨潤特性ならびに摩擦特性を明らかにした。現在、タンパクとの相互作用とこれらの特性との相関を検討中である。
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