2007 Fiscal Year Annual Research Report
半導体表面赤外分光を用いた細胞の動的過程の解明と細胞チップへの応用
Project/Area Number |
17206004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庭野 道夫 Tohoku University, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (40312673)
平野 愛弓 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80339241)
宮崎 均 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40183636)
礒田 博子 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00375429)
溝口 剛 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70281623)
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Keywords | 細胞チップ / 赤外分光 / 表面 / バイオ・チップ / 半導体 |
Research Abstract |
本年度は,赤外分光法による(1)細胞成長のその場観察装置の開発、(2)細胞死過程の非標識その場観察、(3)抗原抗体反応の非標識検出法の開発、(4)シリコン基板上DNAハイブリダイゼーションの非標識検出を行なった。細胞の薬剤応答を赤外分光法を用いてモニタリングするためには、赤外分光試料室内に、細胞培養環境を構築する必要がある。細胞測定用セル内に、高湿度のCO_2混合ガスを流すことにより湿度と培養液のpHを制御し、またセル内温度を37±0.5℃に保つことにより、試料室内での長時間培養を可能にした。この装置を用いて、界面活性剤によって引き起こされる細胞死の観測を行った(Appl. Phys. Lett.(2007)91,203902)。さらに、アポトーシスによる細胞死の進行過程の観測にも成功した(投稿準備中)。この他、細胞内の反応過程の追跡法として、抗原抗体反応の非標識検出を行い、プロテインチップの開発現場で問題となっている非特異的吸着と特異的結合との識別に、赤外分光法によるタンパク質の二次構造解析を用いるアプローチが有効であることを示した(Langmuir(2007)2312287-12292)。また、最も汎用されているバイオチップのDNAチップに関しても検討を行い、シリコン表面でのDNAのハイブリダイゼーションを、赤外分光法を用いることにより非標識に検出できることを示した(Jpn. J. Appl. Phys.,印刷中)。さらに、Au-チオールによる固定化法を用いてバックグランド信号の低減化を行うことにより、数10nMレベルのDNAを高感度検出できることを見出した(投稿準備中)。以上のように、本研究課題の最終年度は、細胞の総体を捉えるアプローチおよび細胞内の個々の反応を捉えるアプローチの双方について、赤外分光法による非標識検出に成功し、高集積細胞チップに向けての基礎を築いた。
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Research Products
(18 results)