2006 Fiscal Year Annual Research Report
水分子を解離する触媒機能電極の開発と超純水電解加工プロセスへの応用
Project/Area Number |
17206013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 英和 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80170463)
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 超純水電気化学加工 / 低環境負荷型加工法 / 平滑表面創成 / 3次元形状転写加工 / 表面修飾電極 / 官能基修飾微粒子 / 第一原理シミュレーション |
Research Abstract |
前年度に研究を行った官能基修飾電極を用いる方法をさらに発展させ、水分子を解離する機能を有する官能基で修飾された微粒子を超純水中に分散させ、これを加工液として用いる方法を提案し、基礎的研究を行った。その成果をまとめると以下のようである。 (1)電極間距離や電極位置をサブミクロンオーダで制御することが可能な精密ステージおよび制御用コンピュータ、超純水送水装置、防振ユニット、微粒子分散液ろ過装置などを新たに購入し、基礎実験:装置を製作し、これを既存設備であるクリーンルーム内に設置した。 (2)4級アンモニウム基で修飾された平均粒径30nmの超微粒子を超純水に分散させ、さらにこれを透析膜によりろ過することで分散液内の金属不純物レベルをppbオーダにまで低減した。この加工液を用いて、Siウエハの平滑表面創成実験を行ったところ、(001)表面では市販ウエハと同等のRa=0.1228nmの粗さ、(111)面においては市販ウエハよりもより平滑なRa=0.064nmの粗さの加工面が得られ、本研究で提案した電気化学加工法により従来技術と同等以上の超平滑表面を創成できることを実証した。 (3)4級アンモニウム基修飾微粒子を分散させた超純水中で負電極材料を加工する場合の電極間の電界分布シミュレーションを行った結果、正に帯電している微粒子は負電極表面に吸着すること、OH^-イオンは負電極表面に作用しないことがわかった。 (4)(3)の結果から、Si表面にはH^+イオンが大量に作用していることが予測されたため、新規に購入したクラスターコンピュータシステムを用いて、Si(001)表面反応の第一原理シミュレーションを行った。その結果、H原子と水分子とSi表面原子の反応によりSi-OH結合が形成されることでSi原子のバックボンド強度が低下し、加工されることが予測できた。
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Research Products
(2 results)