2006 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ流動システムのマルチスケール統合化による最適制御
Project/Area Number |
17206016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20156128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
佐藤 岳彦 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (10302225)
徳増 崇 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (10312662)
高奈 秀匡 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40375118)
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Keywords | プラズマ / 機能性流体 / マルチスケール / ナノ粒子 / 複雑干渉 / 界面 / 仮想実験 / 融合化 |
Research Abstract |
本研究では、機能性流体である「プラズマ流動システム」について、プラズマ流体とマクロスケールの壁面や界面およびマイクロ・ナノスケール粒子やラジカル活性種との時空間マクロからナノスケールまでの「マルチスケール干渉」に特化した「マルチスケール制御法」や「計算と実験との融合手法」に特化した「マルチスケール統合解法」により、システム解析を行った。得られた結果を要約すると、以下のようになる。 1.内燃機関の燃焼促進を目的として、低消費電力で多量の酸素ラジカルを含む空気プラズマ流を発生させるパルスアーク放電による新規小型トーチを開発し、特許出願した。分光計測により空気プラズマ流中には、NIやOIなどのラジカル種が存在することを確認した。これらのラジカル種は、高雰囲気圧力下でduty比が大きいときに多く生成されるが、周波数依存性は小さい。熱流動場の数値解析から、パルス放電により直径1mm程度の熱塊が発生し、その熱塊は半径方向に徐々に拡散し、下流方向に移流する。下流方向の温度特性は、実験値と定性的に一致した。電子衝突反応を含む簡略化された化学反応モデルにより、強電場印加時の放電部では、酸素ラジカルが約0.1msで飛躍的に生成され、放電を停止すると約0.01msで酸素ラジカルと電子が急激に減少する。 2.非熱超高速成膜プロセスや歯科虫歯治療への適用を目的として、衝撃波を考慮した熱流体モデル、マイクロ・ナノ粒子流動モデル、スプラット形成および皮膜形成を構築し、それらを統合することにより微小空間での全プロセスを対象とした実時間数値実験を行った。超音速流中で最大粒子速度を得るための最適粒子径が存在し、衝撃波発生下でもマイクロ・ナノ粒子が静電気力により加速され、衝撃波を貫通し、基板に衝突および付着・堆積することを示した。特に、超音速流中でもナノ粒子の輸送や皮膜形成制御に静電効果が極めて有効であることを示した。
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Research Products
(7 results)