2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経系との直接接続により随意運動及び感覚提示が可能な次世代人工肢システムの試作
Project/Area Number |
17206022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
満渕 邦彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50192349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正俊 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (40212857)
下条 誠 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90292474)
國本 雅也 国立国際医療センター, 神経内科, 医長(研究員)
鈴木 隆文 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (50302659)
古沢 竜志 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (60376613)
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Keywords | ニューロマシンインタフェース(神経電極) / 人工肢 / 随意運動機能 / 感覚機能 / マイクロ・ナノデバイス / 微小神経活動計測・神経刺激法 / 福祉・医療工学 / 脳・神経情報工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体の神経系と人工肢の信号ラインを神経電極などで直接かつ永続的に接続し、装着者が意思どおりに動かすことが可能で、また、物体に触れた際にあたかも自分の手足で触れたのと同様の感覚を感じうるという、次世代の人工肢システムの試作を行う事にある。本年度の成果は以下の通りである。 まず運動系については、ハードウエアとしてロボットハンドを用い、これをスレーブ側として、健常な被験者がマスターである指・腕を動かした際に、運動神経情報と同等の(パルス列信号としての)情報を有する当該筋肉の針筋電信号を用いてロボットハンドを操作するシステムを構築し、被験者と同じ指の動き、および、把持力を再現・出力させる事が出来た。また、脳梗塞患者のように、脳における伝導路が障害され、末梢神経系から情報を得る事が不可能な場合も想定し、中枢神経系(大脳皮質運動野等)からの運動情報の計測とその外部機器(義肢を想定)を意図どおりに動かす系の構築にも着手している。 一方感覚系に関しては、健常人を被験者とし、マイクロニューログラム法・マイクロ刺激法を用いて末梢神経系の感覚神経線維に電気パルス列の刺激を与え、要求する種類・強度の感覚を生ぜしめるためにはどのような電気刺激出力が必要かというコーディング則の解析を行うと共に、圧分解能が高く柔軟で、ロボットハンドの形状どおりに装着する事が可能な圧分布センサの開発を行っている。 また、本システムの完成には長期計測が可能でかつ多数のチャンネルを有する電極の開発が最重要課題であるが、本年度は、末梢神経用、中枢神経用の長期埋込型多チャンネル電極の開発に着手しており、末梢神経用としては主に再生型神経電極をベースとしたものを、また、中枢神経用では、多チャンネルで柔軟、かつ個々の電極の刺入位置の調節が可能なものや神経の再生促進・誘導を目指した物等、諸種の電極の開発・試作を行っている。
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