Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正俊 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (40212857)
下条 誠 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90292474)
鈴木 隆文 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (50302659)
古沢 竜志 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (60376613)
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90343110)
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Research Abstract |
本年度は,義手に対する,運動神経情報により随意運動機能を付与するシステムと感覚神経系刺激により感覚機能を付与するシステムの改良,及び,これら神経情報の取得と神経系刺激を行うための神経電極の開発,試作を進め,これらをロボットハンドに実装した義手システムの試作を試みた。具体的には,随意運動機能に関しては,1)電極開発との関連により,末梢神経活動に対応して発生する針筋電情報によって四肢の動きを予測し,操作者(或いは実験動物)の意図どおりにロボットハンドの動き(特に複合運動である第1指と第2,第3指を用いたっまみ動作)を操作しうるアルゴリズムの開発,及び,2)GoodwinやHorchらの報告を元に,腱部に機械的或いは電気的な振動刺激を与える事によって当該関節に位置覚を生じさせ,これをフィードバックする事によって随意運動のループを閉じてやる試みを行った。又,3)末梢運動神経活動のおおもとの信号源である大脳皮質野における運動ニューロン活動を計測し,この情報から四肢の動きを推定し,ロボットハンドを操作する事も試みた。一方,感覚提示系に関しては,1)圧分布の計測が可能で,かつ,手や指の表面をくまなく覆う事が出来るような圧,触覚センサの開発を継続すると共に,2)マイクロニューログラム針電極を用いて単一感覚神経線維に対して微小刺激を行った際に発生した圧感覚と,逆に,圧負荷を生体皮膚に加えた際に発生する神経活動の定量的な比較から,いわゆる末梢神経における感覚生成のコーディング,デコーディング則の解析を継続し進めた。最重要課題である電極の開発に関しては,パリレンを基盤材料とし,流路を備えた神経再生型電極を設計し,実験動物埋め込み用試作品の作成とin vitroで神経細胞を用いた生体適合性等のチェックを行う段階まで研究を進める事が出来たが,動物に対する実験は今後の問題として残った。
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