2005 Fiscal Year Annual Research Report
リニアモータ駆動による低侵襲性医療用多自由度触覚鉗子の開発研究
Project/Area Number |
17206027
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80137984)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 和夫 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80217695)
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
古川 俊治 慶應義塾大学, 法務研究科, 助教授 (60219102)
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40185187)
|
Keywords | 内視鏡外科 / 腹腔鏡下手術 / 手術支援ロボット / 触覚伝達 / ハプティクス / 多自由度触覚鉗子 / 操作性 / 透明性 |
Research Abstract |
触覚・力覚の再現と伝達はハプティクスとして発展しつつあり、その可能性と将来性が注目されている。最近では内視鏡外科における隘路であった難度の高い手術手技が実行できるハプティックロボットによる低侵襲性手術の必要性が緊急課題となっており、多自由度触覚技術がその鍵技術であることが明らかになっている。本年度においては次のような研究実績を得た。 1)自由度を実験に応じて2から6程度まで変えられるハンド型の多自由度バイラテラル機構試作機構を製作した。この試作装置により様々な状況を模擬できる。この装置は来年度にかけて新しい実験に引き続き用いられる。 2)多自由度の触覚装置では高度なリアルタイム性が要求されるため、制御装置も新たに考案した。特に、FPGAを用いたバイラテラル制御器は3自由度のマスター・スレーブロボットを30μ秒以内のサンプリング時間で制御できる。このような高度な多自由度バイラテラル装置では加速度コントローラに基づいた制御系を構成する必要がある。アダマール行列による座標変換によりコモンモード(和モード)とディフェレンシャルモード(差モード)でそれぞれ完全力制御と完全位置制御を実現すれば、十分に透明性が確保できることが証明できた。しかし、実際には3自由度のバイラテラル制御は独立6軸の加速度制御を実現することと同値であり、それを30μ秒以内のサンプリング時間で実現するのは今のCPUによるプログラム制御では実現が難しい。FPGAによればそれが可能であることが示された。 3)バイラテラル制御のためのサンプリング時間を制約するのは実際には位置エンコーダのパルス入力が入ってくるまで待たねばならない。このため、入力が来なくてもサンプル時間内に複数回の出力を計算するマルチレート制御を考案した。これにより、全システムの安定性が高くなり周波数特性も延びた。
|
Research Products
(6 results)