2006 Fiscal Year Annual Research Report
InAs量子カスケードレーザーの高性能化に関する研究
Project/Area Number |
17206029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 英男 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00152215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 啓太 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40333893)
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Keywords | 量子カスケードレーザ / サブバンド間光学遷移 / InAs / AlSb / テラヘルツ / 中赤外 |
Research Abstract |
本年度はInAs量子カスケードレーザーの高性能化として動作温度の向上と短波長化に着目して、以下の2点について研究を行った。 (1)波長6μm InAs/AlSb量子カスケードレーザーの高温動作化 注入層のドーピング濃度を増加させると最高動作温度が向上することに着目し、従来の素子と比較して1.4倍程度注入層ドーピング濃度を増大させた波長6μm InAs/AlSb量子カスケードレーザーを作製した。又光出力を増大させるために、周期数を30周期と1.5倍増大させた。温度300Kにおける閾値電流密度は5.3kA/cm^2とこの波長領域で動作するInAs量子カスケードレーザーで最も低い閾値電流密度を実現した。最高動作温度は390Kとこれまでの最高動作温度370Kを更新することに成功した。又連続発振に向けて重要である波長5-10μm用高反射鏡膜作製に関する技術を立ち上げ、その動作を確認した。 (2)短波長InAs/AlSb量子カスケードレーザーの作製 波長4μm以下で動作する短波長InAs/AlSbも量子カスケードレーザーを作製した。注入層内サブバンドが形成する擬似電界を系統的に変化させた構造を作製し電流電圧特性を中心に評価を進めたところ、ターンオン電圧は擬似電界の大きさだけでなく、注入層の入り口、及び出口のサブバンドのエネルギ位置に大きく依存し、設計値と同じターンオン電圧を与える構造でのみレーザ発振することがわかった。以上の知見を元に短波長化を進めたところ、波長3.8μmまでの短波長化に成功した。
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Research Products
(2 results)