2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビーム誘起CVD法による超微粒子の作製とその磁性
Project/Area Number |
17206032
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
鈴木 孝雄 Toyota Technological Institute, 大学院・工学研究科, 教授 (70005495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YEVGEN Pogoryelov 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (60410841)
HNIN Yu Yu Ko 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (40368460)
NGUYEN Nguyen Phuoc 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (90449489)
WEI Lu 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (10465586)
佐久間 昭正 東北大学, 工学研究科, 教授 (30361124)
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Keywords | ナノ粒子 / 強磁性 / 巨大磁気異方性 / イオンビーム / イオンビーム誘起CVD法 |
Research Abstract |
本研究は、本研究室で開発した「イオンビーム誘起法CVDによるナノ磁性粒子の作成とその磁性」に関する研究である。特に今まで明らかにされていなかった高い磁気異方性を有するFePt系合金ナノ粒子を対象として研究を行うものである。既にこれまでに、FePt,FeCo-Pt等の微粒子の磁性解明で成果を上げてきたが、今年度の研究においてさらに一次相転移を示すFeRh系合金ナノ粒子の作成とその磁性の解明をも行った。平成19年度における得られた主な結果を以下要約する。 1.三元系FeCo-Pt粒子の作成とその磁性の解明を引き続き行うとともにそれらの個々の粒子の磁性を単独にかつ精度よく評価するために「ホール効果測定デバイス」の開発を行った。具体的には直径約10〜100nmの微粒子の磁性を測定可能とするため、ソフトウェアー・プログラムの開発、リソグラフィー法によるパターン化した測定電極の設計と作製、そして校正等を行った。 2.その結果、Fe微粒子を用いた予備実験により開発したプログラムは十分本研究の目的に対応して、応用可能であることが実証された。さらに電極等のリソグラフィー法による作製を鋭意実行する予定である。 3.本研究作製法による一次相転移を示すFeRhナノ粒子の作成を開始した。FeRh作成において、Rhを含む液体化合物を液化するより高い温度のヒーターを装置チェンバー内に装着する必要があり、今後進めていく予定である。 4.一方比較のために、化学法で作製したナノ粒子の磁性についての研究を行った。その結果、直径3〜10nmのナノ粒子の作成に世界で初めて成功した。これらのナノ粒子は、約100℃付近に相転移を示した。 上記の成果は、国際磁気学会(平成19年11月)等の国際会議で報告を行うとともに、IEEE Transaction on Magnetics等の国際的に評価の高い学術誌に掲載している。
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