Research Abstract |
本研究ではCybernetics,Mechatronics,Infomaticsを中心として,脳・神経科学,行動科学,システム制御工学,ロボット工学,IT技術,心理学,生理学,システム統合技術などが融合複合した人間・機械・情報系の融合複合新領域「サイバニクス」を駆使し,その'開拓によって得られた各種技術を多くの分野で適用可能な次世代基盤技術として体系化することを目的としている.本年度の研究実績の概要は以下の通りである. 1)下肢用サイバニックロボットスーツの開発:下肢動作支援を実施するハイブリッド機能に加え,安全機能として、当該サイバニックロボットスーツの制御中枢であるサイバニックカーネル実装を試みた。ロボットスーツ装着者の挙動を逐次監視し、転倒防止、転倒回避など外的な危険のみならず,体内における生理情報の変化の面でも安全を多重に確保するシステムを開発した. 2)上肢用サイバニックロボットスーツの開発:食事動作の支援に焦点を当て,肩,肘,手首の関節動作支援機構を開発し,健常者のような自由度の高い動作を可能にする上肢用サイバニックロボットスーツを開発した.また,上肢用サイバニックロボットスーツを直接用いて,発健常者の食事動作を直接取り込み,その動作を再現させ,健常者のように動作させることが可能な,技能伝授機能を開発し,健常者の動作に近い動作による食事支援を可能とした. 3)サイバニックリムの開発:ロボツトスーツの動作支援用機能として開発したハイブリッド機能を適用し,装着者の運動意思で動作する義足,サイバニックリムを開発した.これにより,歩容の改善,障害物の乗り越え,階段昇り動作を効果的に実現した. 4)把持力拡張システムの開発:健常者の握力と同等の把持力を安全に支援システムのプロトタイプを開発し,実験により把持力や安全性についての基本性能を確認した.
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