Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松久 寛 京都大学, 工学研究科, 教授 (00109034)
五十嵐 晃 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80263101)
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 教授 (90168328)
古川 忠稔 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (70273597)
高橋 良和 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10283623)
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Research Abstract |
研究代表者は過去数年にわたり,可変ダンパーの最適制御に関する解析的・実験的研究を行ってきたが,その結果,可変ダンパーが負剛性を発生しているときに,より高い制震効率が得られることを見出した.本研究の目的は,(1)出来得る限りセミアクティブの効率に近い,受動型負剛性ダンパーを開発し,その特性を実証した後,各種構造システムの制震装置として提案するとともに,(2)構造系の剛性を低下させて動的応答により発生する地震力を低減化することに加えて,減衰性能を増大させて変形量を制御する新しい耐震設計法を開発する,ところにある.本研究の平成18年度における研究実績の概要は次のとおりである. 1)数値シュミュレーション手法を用いて,各種セミアクティブダンパーを最適に制御した場合の発生制御力を分析し,その特性を確認した. 2)上記の最適制御側に基づくダンパーの制震力と,負剛性ダンパーのそれとを,変位-復元力や速度-復元力の関係において比較検討するとともに,制御対象構造物の加速度,速度,変位応答ならびに地震入力エネルギーの観点から,負剛性ダンパーの妥当性を立証した. 3)絶対固定点に接続したスカイフックダンパーが発生している減衰力を構造物の相対変位に対してプロットしたところ,負剛性の減衰力が見いだされ,セミアクティブ制御と同様の結果が得られた. 4)負剛性を有する摩擦型ダンパーを開発・製作するとともに,桁模型を用いた振動台実験によりその効果を検証した.その結果,設計で想定した負剛性特性が発現され,絶対応答の低減効果が得られた. 5)研究代表者らが開発を進めてきたサブストラクチャー地震応答載荷試験を,リアルタイムで実施できる,高速度かつ数値制御可能な,油圧型加力アクチュエーターシステムを整備した.6)本研究に関連して,研究代表者らが管理する実大構造実験施設ならびに慣性力載荷型ダンパー試験装置を用いて,提案している負剛性ダンパーを試験するための制御プログラムの設備を行った.
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