2005 Fiscal Year Annual Research Report
移動体観測に基づく災害時交通ネットワークのリスク評価システム
Project/Area Number |
17206053
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
朝倉 康夫 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (80144319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽藤 英二 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60304648)
井料 隆雅 神戸大学, 工学部, 助手 (10362758)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)
長江 剛志 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (30379482)
山本 俊行 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80273465)
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Keywords | 交通ネットワーク / リスク評価・マネジメント / 移動体観測 / リアルタイム観測 |
Research Abstract |
1.交通ネットワークのリスク評価システムの基本フレーム設計の一環として,下記の2点を行った.第1に,1日内の交通現象に着目したリスク評価・マネジメント・システムのための基本的枠組を提案した.具体的には,ある時点で生成された待ち行列が他の時点の走行時間に及ぼす外部性を明示的に考慮できる動学的枠組の下で,ネットワーク全体の効率性を極大化させるようなボトルネックへの流入交通量制御問題を定式化し,その特性およびメカニズムを明らかにした.第2に,より長期的な計画視野と次善の(集権的でない)制御に着目したシステムの基本的枠組を提案した.具体的には,有料道路と一般道路で構成される2リンク・ネットワークにおいて,不確実に変動するネットワーク需要に対して,ネットワーク効率性極大化を目的としたフィードバック的な有料道路料金変更問題を定式化し,その特性およびメカニズムを明らかにした.これらの研究により,移動体観測によってリアルタイムに得られる詳細な情報を,利用者に提供するべきか集権的制御のみに利用すべきかの峻別が可能となるだろう. 2.GPS機能付き携帯電話とWEBを用いた移動体観測システムの開発の一環として以下の研究を行った:移動体観測から新たに得られる情報と,既存の交通観測手法によって蓄積された情報を効果的に組み合わせることで,より正確に交通状態を推計するための新たな方法論を検討した.具体的には,移動体および既存観測手法のそれぞれから個別に得られる情報から2つの事前確率を算定し,その(概念的な)内分点として事後確率を推計するモデルの定式化・分析を行った.これにより,提案手法が従来の古典的ベイズ推定法と等価な数学的構造を持つ事を明らかにした.さらに,実証分析を通じて,移動体観測と既存の交通観測手法を融合することで,それぞれを個別に用いる場合よりも正確な交通状態推計が可能となる事を示した.
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Research Products
(18 results)