2007 Fiscal Year Annual Research Report
制震要素を用いた既存鋼構造建築物の統合的耐震性能向上技術の開発
Project/Area Number |
17206058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 一朗 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (40029294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 進 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 准教授 (10243172)
聲高 裕治 大阪工業大学, 工学部, 講師 (80343234)
竹脇 出 京都大学, 工学研究科, 教授 (20155055)
辻 聖晃 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00243121)
荒木 慶一 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50324653)
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Keywords | 鋼構造 / 制震要素 / 機械式接合 / 耐震補修・補強 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の3項目にまとめられる。 1.機械式接合を用いた制震要素の開発と設計法の構築 間柱型制振ダンパー(鋼材及び粘性体)を耐震補強として用いるときの施工性および制振性能の検証を目的として,既存鋼構造建物を想定した柱梁架構への耐震補強施工実験および載荷実験を実施した.その結果,高力ボルト接合を主体とするこの耐震補強法は,溶接などの火気を用いることなく,円滑に施工可能であることを確認した.また,この間柱型制振ダンパーは,設計で想定した耐力を発揮するとともに,大地震時の変形まで安定した履歴性状を呈して十分なエネルギー吸収能力を有することを実験的に確認した. 2.制震要素を用いた補修・補強計画支援のための基礎理論の構築とソフトウェアの開発 塑性ヒンジ法を用いた鋼構造骨組の弾塑性解析法の解析速度と安定性を高めるために,降伏曲面の特異点に関する問題点を整理した上で,これらを解決する手法を提案した.昨年度は平面骨組を対象としていたのに対し,本年度は立体骨組を対象とした.さらに,構造設計に一般的に用いられる外法一定H形鋼材を対象として,部材断面の特徴を精度良く表せる混合回帰モデルおよびそのモデルを利用した最適設計法を提案し,補修・補強計画支援ソフトウェアの開発を行った. 3.既存建築物の補修・補強前後の保有構造性能を簡便かつ的確に診断する技術の開発 超音波の一種である板波を用いて平板の亀裂を検出する実験を行った。本実験では,昨年度に提案した,超音波の一種である板波の時間-周波数解析を用いた損傷指標について,亀裂幅と損傷指標の関係の定量的評価をさらに進めた。
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