2005 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル・地下鉄火災を対象とした多層ゾーン煙流動予測コンピューターモデルの展開
Project/Area Number |
17206061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 哮義 京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 和則 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90198911)
鈴木 圭一 清水建設, 技術研究所, 研究員
山田 茂 フジタ, エンジニアリング統括部, 主席コンサルタント
大宮 善文 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (10287469)
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Keywords | 煙流動 / トンネル / 地下空間 / 多層ゾーンモデル / トンネル模型 / 火災実験 |
Research Abstract |
本研究は、建物火災を対象にして開発を進めてきた多層ゾーン煙流動予測モデルを、最終年度展開研究として地下街やトンネルなどへ利用可能なモデルとして新たに展開するものである。このため、今年度は建物対象の同モデルの実用化と、トンネル火災への適用検討の2つの作業を実施した。 先ず、前者については、多層ゾーン煙流動予測モデルの理論・予測コードの取りまとめを行うとともに、ゾーンモデルへのデータ入力の簡易化および計算出力結果の把握の容易化のためのGUI(Graphic User Interface)システムの開発を行った。これにより、煙流動計算に必要な建物空間寸法、開口データなどが、モニター上のマウスクリックにより視覚的に入力可能となり、また予測結果として出力される煙層の温度や厚さの空間平面および断面上への図形表示が可能になった。更に、このGUIを用いて、地下街における煙流動のケーススタディーを行い、煙制御対策の効果を検討した。 また、後者のトンネル空間への適用に関しては、京大防災研の構内に、大規模トンネル模型(幅1.8mx高さ1,8mx長さ27.6m)を制作し、トンネル空間が無風および勾配を有しない水平の条件下での煙流動の基本的性状を調べるために、メタノールを火源とした9条件の火災実験を行い、トンネル内天井流の温度分布性状を相似パラメタを用いて解析し、定常状態では温度が火源からの距離の1/3乗に反比例して降下することを明らかにした。また、建物内を対象とした多層ゾーン煙流動予測モデルの適用により、トンネル空間での煙性状がどの程度良好に予測できるかの検証ケーススタディーを行った。この結果、トンネルでは建物での煙流動予測計算のように静圧をパラメタとして計算するのでは不十分なであり、動圧の扱いに課題が残ることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)