2008 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル・地下鉄火災を対象とした多層ゾーン煙流動予測コンピューターモデルの展開
Project/Area Number |
17206061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 哮義 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (70293959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90198911)
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Keywords | トンネル / 火災 / 煙流動 / 多層ゾーンモデル / 火災実験 |
Research Abstract |
一般に数kmに亘ることも少なくない長大なトンネルや地下鉄の火災時煙流動性状を予測し、有効な避難安全対策を計画ずるためには、様々な火災条件の下での煙流動性状を予測できる手法が必要であり、このため本研究ではCFDモデルに比較すれば計算時間が殆ど無視出来るほど速い従来の2層ゾーンモデルと同程度の計算速度で、かつ温度などの物理量の垂直分布が予測できる多層ゾーン煙流動予測モデルのトンネル空間への展開を図ってきた。このモデルにより、水平トンネル内の煙温度・流速分布については、火災性状予測のCFDモデルとして世界的に最も有名なFDS(Fire Dynamics Simulator)に劣らないレベルの予測が可能であることが確認されている。このモデルの予測機能を、一般に勾配を有するトンネル空間に対して確認するため、既に9%および6%勾配のトンネル煙流動実験を行っているが、更に3%勾配および9%の上り勾配と下り勾配を有する模型トンネルにおける実験を行い、多層ゾーンモデルの検証データを整備し、また予測値と実験測定結果との比較をおこなった。この結果を受けて、多少予測精度に改良の余地のある点についてモデルおよびプログラムを修正した。 また、この多層ゾーンモデルを使用する場合には、モデルへの入力データおよび計算結果の出力が容易であるほど使用の便が良いのは当然であるので、入力および出力をグラフィック画面から行うことが出来るインターフェース(GUI)をVB(Visual Basic)を用いて構築した。これにより、煙流動結果についても数値による出力だけでなく、比較的簡単にビジュアルな表示が出来るようになり、煙流動性状が視覚的も把握出来るようになった。
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