2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素プロセス機能によるAl等非鉄系合金の結晶粒超微細化新技術の開発と材料特性
Project/Area Number |
17206069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30250715)
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
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Keywords | 結晶粒微細化 / ナノ結晶 / ナノマテリアル / 水素 / HDDR / 熱処理 / アルミニウム / 銅 |
Research Abstract |
合金の結晶粒微細化方法として、申請者らは、HDDR現象に注目した。これまでに萌芽研究において、現用Mg-3%Al-1%Zn(AZ31合金)について水素吸放出熱処理を施すことにより、HDDR現象を発現させ、結晶粒を0.1〜0.2μmに超微細化することに成功した。ところで、これまで水素との親和力の弱い元素を主元素とする合金において、その方法の有効性は確かめられていない。そこで、本研究では、Al、Cu、Au、Ag等の水素との親和力の弱い元素を主とした非鉄系合金に、Mg等の水素との親和力の強い元素を含有させて、HDDR現象発現の可能性を検討するとともに、結晶粒微細化効果の有無を追求することを目的とする。 本年度は、Al-Mg系合金について検討をおこなった。Al-3.0,5.0,7.8mass%Mg合金粉末に対して水素化熱処理後、Al中にMgH_2が形成された。その後の脱水素化熱処理後、MgH_2およびMgのAl母相への再固溶が確認され、全ての組成においてHDDR現象が発現することがわかった。その結果、各組成とも結晶粒は数10nmオーダーに微細化され、中でもAl-7.8Mg合金試料の結晶粒が約20nmと最も小さかった。Al-3.0Mg合金板材においても水素化・脱水素化処理を施すことによりHDDR現象の発現が確認され、SEMの断面組織観察において表面近傍におけるMg濃度の変化からHDDR処理される領域は表面から約40mmの深さまで及び、TEM観察の結果、微細な数10nmと50-70nmの結晶粒が形成される事が分かった。 よって、本研究により、Al-Mg系合金において水素熱処理は機械的特性を向上させる有効な方法であることが確認された。
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