2007 Fiscal Year Annual Research Report
水素プロセス機能によるA1等非鉄系合金の結晶粒超微細化新技術の開発と材料特性
Project/Area Number |
17206069
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90292242)
|
Keywords | 結晶粒微細化 / HDDR / 銅合金 / 水素プロセス |
Research Abstract |
合金の結晶粒微細化方法として、申請者らは、HDDR現象に注目した。これまで水素との親和力の弱い元素を主元素とする合金において、その方法の有効性は確かめられていない。そこで、本研究では、Al、Cu、Au、Ag等の水素との親和力の弱い元素を主とした非鉄系合金に、Mg等の水素との親和力の強い元素を含有させて、HDDR現象発現の可能性を検討するとともに、結晶粒微細化効果の有無を追求することを目的とする。 本年度は、Ag系およびCu系合金について、HDDR処理の適応可能性と微細組織の変化について調査した。Ag系については、HDDR現象が発現する処理条件について更なる検討が必要であるが、Cu系については、Cu-Mg合金について、水素化処理温度および脱水素温度について最適な条件を見いだすことができた。水素化後に得られる微細組織は、Cu結晶粒界層にMg二水素化物が析出し、C相に起因するFCC構造の格子定数が減少する。続く脱水素処理によりMg水素化物は消失し、FCCの格子定数はもとのCu-Mg合金のものと同様の値まで復元する。このようにして得られた微細組織は、数10nmに結晶粒微細化し、この合金系においても本水素プロセス処理が有効であることを実証することに成功した。このようにして得られたCu-Mg合金の硬度は約20%上昇し、電気伝導特性もほぼ変化ないことが分かった。今後は、実用材料と比較して応用の可能性などを検討する。
|