2005 Fiscal Year Annual Research Report
太陽電池用シリコン基板の自己成長形態保持機能を利用した合金融液からの直接製造法
Project/Area Number |
17206072
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 俊夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 一樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00210170)
池田 実 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (50167243)
澁田 靖 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (90401124)
|
Keywords | シリコン / 太陽電池 / 融液成長 / フェーズフイールドモデル |
Research Abstract |
シリコン系太陽電池生産量は世界的に急速に増加し、安定、安価な太陽電池製造方法開発に対する社会的期待は大きい。本研究は、低過冷度シリコン合金融液からシリコン結晶は(111)面を側面とする板状形態を保ちながら成長する、言わば、自己成長形態保持機能を利用して合金融液から太陽電池グレード基板を直接製造する新たなプロセス開発を目指し、その実現に最も重要な要因となるシリコン板状結晶の安定成長条件、結晶成長特性等を明らかにするとともに、同プロセスの可能性を検討することを目的とした。 フェーズフィールドモデルにより低過冷度シリコン合金融液からの結晶成長を解析した。ここでは、低過冷度条件の解析で深刻となる計算時間増大に対処すべく、界面前方領域の拡散場計算にランダムウォークアルゴリズムを適用することによる計算時間の短縮を試みた。その結果、2次元モデルでは計算時間の大幅な短縮が可能となるものの、計算領域の拡大につれ高速化効果は減少し、計算領域が一定以上では複数計算機を用いた並列計算を下回るものであった。このため、両者の得失を考慮しつつ解析を行うことが有効と考えられる。また、シリコン結晶引き上げプロセス実験の準備段階として、現有の高真空モリブデン線加熱炉の大幅改修を行った。具体的には、加熱炉の上部蓋を次のように新たに作成した。ここでは、結晶引き上げプロセスに必要な種結晶保持ロッドの設置、試料観察の覗き窓位置変更とこれに伴う新モリブデンリフレクターの作成、試料温度測定熱電対用フランジ設置などを行った。また、結晶引き上げのために必要な、試料加熱ステージ軸を数mm〜数cm/minの範囲で駆動できる駆動装置を加熱炉底部に設けた。現在までに、予備的な動作確認を行ったが、特に改修による不具合は見出されておらず、来年度以降の実験に十分な性能が確保できたと考えられる。
|
Research Products
(1 results)