2006 Fiscal Year Annual Research Report
独立分散合金ナノ粒子の合成とナノペースト配線技術の基盤形成
Project/Area Number |
17206077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅沼 克昭 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10154444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 俊郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40167698)
井上 雅博 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60291449)
金 槿銖 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助手 (90304857)
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Keywords | 高密度実装 / ナノ材料 / 微細接続 / インクジェット / 配線 |
Research Abstract |
主としてナノメーターオーダーの銀系の金属微細粒子をカルボン酸銀塩および硝酸銀を出発原料として新規に合成し、インクジェット印刷との適合性を評価した。精製した銀ナノ粒子は、ドデシルアミン等の分子膜で保護し、室温で安定にインク化した。この他の多種類の金属ナノ粒子で現象を確認した。銀ナノ粒子ペーストの場合、分散剤としてドデシルアミン、溶剤にはテトラデカンを用いた。分散状態の銀ナノ粒子は5nm前後の粒径になった。合成した銀ナノ粒子ペーストで配線を描画後、エタノールに浸漬すると、室温において30秒から300秒で金属光沢が得られ金属結合が形成されることが分かった。この浸漬方法で得られた金属配線の高分解能電子顕微鏡観察から、数十秒で分子膜が破壊され、短時間で粒径50〜100nm程度の銀粒子が凝集したものになっており、分子膜が破られナノ粒子が合体成長し、粒子間にしっかりとした結合が形成されることが分かった。実際に、形成した配線の体積抵抗率は10<^-4>〜10^<-5>Ωcm台の低い値であり、これは同様な銀ナノ粒子ペーストを180℃で1-2時間加熱処理したものに相当する。アルコールの他の溶液の効果も各種評価を行い、極性溶媒が比較的効果を有することが判明し、これらの結果から、常温キュアプロセスのメカニズムを提案した。この技術は、活気的な常温配線技術として注目されており、今後、その各種配線等への可能性を探索する予定である。この他、ミクロンサイズの銀粒子を用い、エポキシ樹脂やシリコン樹脂と混合、これらの熱的な特性、衝撃など機械的特性を評価し、母体のキュアの条件がこれらの物性へ大きく影響を与えることを明らかにしている。
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