2006 Fiscal Year Annual Research Report
臨界点近傍の高圧流体中で生成したプラズマ等の高エネルギー場の科学と応用
Project/Area Number |
17206080
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 元信 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (80170471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 満 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40363519)
秋山 秀典 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (50126827)
浪平 隆男 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40315289)
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Keywords | 超臨界流体 / プラズマ / 絶縁破壊 / 電気化学反応 / 物質変換 / 二酸化炭素 / 水 |
Research Abstract |
臨界点近傍の亜臨界・超臨界流体を場として、1)パルスパワーによるプラズマ、2)電気化学反応用電界、などを付与したエネルギー場を反応場として物質変換を行うための基礎的検討ならびに応用事例を研究することを目的とした。ブラズマに関してぽ超臨界流体で生成するプラズマの現象の科学的解明をし、物質変換プロセスなどへの応用につながる技術を創生することを目指し、電気化学においては亜臨界水中での電気化学反応のメカニズムを解明し、各種の反応の場としての基礎技術を確立することを目指して基礎的研究を行なった。 1.亜臨界・超臨界二酸化炭素中でのパルスバワーによるブラズマ生成および反応への応用 気相から亜臨界・超臨界流体条件まで広範な温度・圧力下で二酸化炭南中における種々のプラズマを生成し、流体密度などの物性と放電特性の関係を明らかにした。プラズマの容積を大きくするために電極形状を工夫した。さらに、プラズマ中での物質変換としてトコフェロールのメチル化を試みたところトコフェロールのα化は見られなかったが、分子鎖の切断の可能性が示唆された。 トリグリセリドのメタノールによるエステル化を試みたところ、脂肪酸メチルエステルの増加が観察され、エステル化反応の進行が示唆された。チリフェニルメタノールとアニソールのフリーデル・クラフツアルキル化の反応を試みたが、反応の進行はみられなかった。 2.亜臨界・超臨界水中でのバルスバワーによるプラズマ生成 超臨界水中でのプラズマ生成装置を完成させ、ブラズマ生成の予備実験をおこなった。また、超臨界水ブラズマ中での物質変換を実験する準備を行った。 3.亜臨界水中での電気化学反応実験 亜臨界水中での電気分解(水熱電解)による電気化学反応機構を水酸基を有する有機化合物について検討した。1-ブタノール、エチレングリコール、グリセリンのアルコール類を用いた水熱電解反応の結果を速度解析した。エチレングリコールについては酸化生成物が確認され、グリセリンについては酸化生成物は確認できなかったが、分子内脱水反応による生成物が得られ、、脱水反応の進行が示唆された。
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