2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然浄化能を活用した有機塩素化合物汚染土壌の原位置修復
Project/Area Number |
17206089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 千弘 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (30271878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 佶 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10005499)
白鳥 寿一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (20396469)
須藤 孝一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (90291252)
原 淳子 東北大学, 産業技術総合研究所・地圏資源環境研究部門, 研究員 (40374996)
川辺 能成 東北大学, 産業技術総合研究所・地圏資源環境研究部門, 研究員 (90392604)
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Keywords | 土壌汚染浄化 / 有機塩素系化合物 / 脱塩素反応 / 黄鉄鉱 / 硫化鉄 / 微生物 / MNA / ダイオキシン |
Research Abstract |
トリクロロエチレン(TCE)など工業的用途で使用された有機塩素系化合物による土壌汚染が深刻な社会問題となっており、特に広範囲に拡散しているこれら化合物を原位置で無害化処理するための有効かつ低コストの浄化技術開発が強く求められている。本研究では、自然界に存在する鉱物と微生物による脱塩素反応を有効に活用しながら、有機塩素化合物で汚染された土壌の修復を行うプロセスを開発することを目的とした。 水溶液系での鉱物による有機塩素化合物脱塩素反応については、TCEを代表物質として用い、各種硫化鉱物を含む水溶液系における脱塩素反応について実験と数値計算により定量的評価を行った。検討した硫化鉱物のうち黄鉄鉱が最も反応性に富み、粒子表面積あたりの反応速度はこれまで実際の浄化プロセスで用いられてきた鉄粉よりも速かった。しかしながら、反応生成物については、気相に揮発しない成分があり十分に評価できなかった。黄鉄鉱によるクロロベンゼン類、およびイオキシン類分解反応の基礎的検討として、ビーカー試験レベルでの検討を行った。モノ、ジ、トリクロロベンゼンについては、黄鉄鉱による速やかな分解が確認できた。また、2,3,7,8-TCDDについても分解が認められたが、さらに詳細な分析が必要であった。実汚染サイトから採取した土壌、地下水中に存在する微生物を用い、TCEやPCEをエチレンまで逐次的に脱塩素する集積培養系を確立し、この培養系を安定して維持することができた。有機塩素化合物の自然減衰が生じている実汚染サイトの濃度推移データを収集した。また、そのサイトの土壌・地下水資料を採取しTCE微生物群の存在を確認した。
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