2007 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ分光と量子化学計算による酸化還元を伴う固液界面反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
17206098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 知 The University of Tokyo, 大学院・工学系系研究科, 教授 (10114547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 晋也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20240723)
常田 貴夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20312994)
虎石 貴 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 博士研究員 (40376497)
木村 貴海 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究主席 (20354897)
斉藤 拓巳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90436543)
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Keywords | 酸化還元 / 固液界面 / 吸着 / 電荷移動 / 配位子架橋 / ウラン / 密度汎関数理論 / EXAFS |
Research Abstract |
本研究では,表面における電荷移動を伴う反応の経路決定を通じた固液界面におけるアクチノイド元素の酸化還元メカニズムの解明を目的として,表面におけるU(VI)-Fe(II)間電荷移動反応における配位子の影響評価および密度汎関数理論(DFT)の吸着・還元現象への適用を行ってきた. 本年度は,最終年度として,これまでに構築してきた鉱物表面に吸着した蛍光性金属イオンに対する時間分解型レーザ蛍光測定および表面反応を対象とした密度汎関数理論(DFT)計算を総合的に用い,実環境中に豊富に存在するギブサイト(α-Al2O3)および天然有機物質のモデル配位子としての種々の有機酸存在下におけるFe(II)によるU(VI)の表面還元メカニズムを評価した.特に,表面還元反応におけるU(VI)吸着構造の重要性から,放射光施設での広域X線吸収微細構造(EXAFS)測定を行うと共に,Al6量体クラスターを表面モデルとしたDFT計算との相互比較から,U吸着種の構造同定を行った.その中で,比較的高pHでは,Uの2量体がギブサイトの2つのAl8面体ユニットの頂点に結合した吸着構造をとり,一方,比較的低pHでは,単核のUが隣接する2つのAl8面体ユニットの頂点と1つのAl8面体ユニットの1辺を共有する吸着をとることが分かった.また,表面水酸基のプロトン化/脱プロトン化がU吸着パラメータに大きな影響を与えることが明らかになった.さらに,配位子の影響として,配位子架橋による吸着の可能性も分光測定,DFT計算から示された.
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Research Products
(1 results)