2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17207002
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
飯田 滋 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 教授 (30012777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (30137799)
星野 敦 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (80312205)
栂根 一夫 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (50343744)
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Keywords | アサガオ / イネ / ゲノム / 自然突然変異 / トランスポゾン / 易変性変異 / 相同組換え / DNA再編成 |
Research Abstract |
野生型は鮮やかな青色花を咲かせ、江戸時代に園芸化されて花の色や形に関する多くの自然突然変異体が分離されたアサガオの研究は、戦前の古典遺伝学的解析の知見も含め、独創性の高い研究として世界に情報発進を行ってきており、花色発現については、従来最もよく研究されているペチュニアを凌ぐ成果をあげつつある。今年度は主に白色花を賦与する転写調節因子の遺伝子と変異の同定及び解析を行った。先ず、アサガオの3種類の転写調節因子について、各々3種類のR2R3-MYB遺伝子MYB1、MYB2、MYB3、3種類のbHLH遺伝子bHLH1、bHLH2、bHLH3、2種類のWDR遺伝子WDR1、WDR2を分離同定し、各遺伝子の組織特異的発現を詳細に解析した。次いで、花色だけを白色化して茎や種子の色は野生型と変らないMYB1遺伝子の自然突然変異を同定し、さらに白花色を咲かせて茎も緑色で種子も象牙色となるWDR1遺伝子の変異も同定して、この変異では種子表面のtrichome形成にも影響を与えることも見出した。このような種子trichomeの形成はペチュニアでは見出されず、アサガオで初めて見出された遺伝形質である。我々はさらにこれらの変異体を用いて、花色発現に係わる遺伝子発現への影響を経時的に解析し、ペチュニアなどで得られつつある知見との類似点と相違点についても有用な知見を得た。特に、花弁液胞のpHの変動はペチュニアとアサガオでは異り、しかも、pH制御に係る遺伝子制御系、特に転写制御因子系の関与は大きく異ることが明らかになってきた。 また、最近見出したイネの易変性のvirescent変異に係るDNA型トランスポゾンnDartを利用した新たな遺伝子タギング系の開発をめざし、易変性のジベレリン非感受性矮性変異やアルビノ変異の原因遺伝子の同定にも成功しつつある。さらに、相同組換えを利用したイネの遺伝子ターゲティングの開発を続行して、イネの機能ゲノム学的解明に資することもめざしている。
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Research Products
(7 results)