2007 Fiscal Year Annual Research Report
世代交代に際してゲノム継承を可能にするための分子基盤
Project/Area Number |
17207011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 健雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00124222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大隅 圭太 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (20221822)
立花 和則 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60212031)
奥村 英一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (00323808)
岩渕 万里 東京工業大学, バイオフロンティアセンター, 助教 (40275350)
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Keywords | 細胞周期 / シグナル伝達 / 卵減数分裂周期 / 卵成熟誘起ホルモン / 受精 / ゲノム継承 |
Research Abstract |
世代交代に際してのゲノム継承を実現していく分子機構を解明するために、卵細胞における細胞周期制御に至るシグナル伝達と核の活性制御を包括的に解析した。 1.[卵成熟誘起ホルモン受容体]ヒトデ卵成熟誘起ホルモン(1-メチルアデエン、1-MeAde)の卵表受容体の単離同定をめざした。フェライトビーズに1-MeAde誘導体を結合させたアフィニティービーズを作製し、卵膜の可溶化画分からこれに特異的に結合するバンドをSDS-PAGE上で3本(p42、p92、p97)得た。これらの部分アミノ酸配列の決定を終え、現在、全長をコードするcDNAを得つつある。抗体等を用いた解析から、これらの3種の蛋白質は、複合体を形成して卵表に存在し、1-MeAdeの作用に関与していることが判明し、受容体である可能性が高い。 2.[卵減数第一分裂の再開始]ヒトデ卵減数第一分裂の再開時における、分裂期キナーゼの一つであるAuroraの機能を解析した。ヒトデAuroraは一タイプしかないが、中心体・紡錘糸・分裂中期染色体・中央体のいずれにも局在することが、抗体を用いた解析から判明した。このことは、一タイプで、脊椎動物などで知られているAとBの二タイプのAuroraの機能を担っていることを示している。 3.[卵減数第二分裂中期停止の解除]アフリカツメガエル卵は減数第二分裂中期に細胞周期を停止させて受精を待つ。この停止の解除はCaが引き金をひき、それによりCaMKIIが活性化することが必要であることが従来知られていた。今回、それと同時に、カルシニュリン(CaN)が一過性に活性化する必要のあることが判明した。キナーゼとフォスファターゼの協調的作用によって、cyclin B分解のためのAPC/Cの活性化が実現するといえる。
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Research Products
(7 results)