2005 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼカスケードによるシグナル伝達ネットワーク
Project/Area Number |
17207012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 邦弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116375)
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Keywords | シグナル伝達経路 / MAPキナーゼカスケード / キネシン / 足場蛋白質 / シナプス小胞 |
Research Abstract |
MAPキナーゼカスケードは、細胞の増殖・分化など多様な生命現象に必須のシグナル伝達経路である。線虫C.elegansを用いて、MAPキナーゼカスケードの構成因子群と発生、分化との関係を探索すると同時に、それらの個体レベルでの役割を明らかにすることを行った。JNK MAPキナーゼの足場蛋白質であるヒトJIP3の線虫ホモログUNC-16は、線虫JNKのひとつJNK-1およびJKK-1 MAPキナーゼキナーゼとともにシナプス小胞の局在制御に関与する。本研究において、UNC-16に結合する因子として、新たにキネシン軽鎖KLC-2と、オートファジーを制御するプロテインキナーゼUNC-51の結合蛋白質であるUNC-14を、それぞれ酵母Two-hybrid法により同定した。培養細胞内において、UNC-16はKLC-2およびUNC-14と複合体を形成した。また、klc-2およびunc-14変異体では、unc-16変異体と同様にそれぞれシナプス小胞の局在が異常になった。運動神経であるD神経においてUNC-16の細胞内局在をGFPを用いて可視化したところ、野生型およびunc-14変異体ではnerve cord全体に局在しているが、klc-2変異体およびキネシン重鎖unc-116の変異体ではその局在が異常であった。さらに、UNC-14を同様に可視化したところ、nerve cordにおいてdot状に局在すること、そしてその局在パターンはklc-2,unc-116およびunc-16変異体では消失することを見い出した。これらのことから、キネシンとUNC-16の複合体はUNC-14を適切な位置に局在化させることによりシナプス小胞の局在を制御すると考えられる。
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Research Products
(3 results)