2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17207014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 博司 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (00208589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 秀卓 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教授 (90362590)
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Keywords | 発生 / 形態形成 / パターニング / シグナル因子 / 神経系 / 体軸形成 |
Research Abstract |
初期発生における頭尾の決定機構:マウス胚で頭尾を決定するシグナル因子Lefty1の発現誘導機構を調べたところ、FoxH1結合配列を持つエンハンサーで制御されており、すなわちNodalシグナルに寄って発現が誘導されている事が判った(Takaoka et al.,Dev Cell,2006). Nodalシグナルによる頭部誘導:Nodalシグナルを伝える転写因子FoxH1の標的遺伝子を系統的に探索し約100個の遺伝子を同定した。各遺伝子について、正常胚とFoxH1変異胚での発現をスラべた結果、現在までに2つが標的遺伝子であることが判った。FoxH1遺伝子の発現を調べたところ、中枢神経系での発現を認めた。中枢神経系で特異的にFoxH1を欠損させるためのマウスを準備した(Muramatsu et al.,未発表)。 レチノイン酸シグナルによる中枢神経系の領域化:レチノイン酸分解酵素(CYP26A1,CYP26C1)は後脳で特異的に発現する。CYP26A1,CYP26C1の変異マウスを作製・解析したところ、これらの酵素は、体幹部から来るレチノイン酸が前方へ拡散することを防ぐバリアーとして働き、そのために前方部が前脳になることが判った。また、CYP26A1,B1,C1すべてを欠損した場合、頭部形成の極く初期に異常が認められた(Uehara et al.,Dev Biol,2006;未発表)。 分泌されたNodal, Lefty分子の挙動:Nodal, Lefty分子は、その活性が及ぶ距離を調べた結果、両者ともに遠距離拡散し、反応拡散システムを形成する事が判った(Nakamura et al.,Dev Cel1,2006)。種々の方法を用いて、マウス胚中で分泌後のNodal, Lefty分子の可視化を試みたが、成功に至らなかった。より感度の高い検出方法(生物発光を利用した方法)を試すべく、準備を進めた。
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